世界経済

賃上げラッシュの2024年か

●今年、群馬県で二店舗目となるコストコがオープンするにあたり
求人募集が行われました。その際の時給がなんと1,500円。
群馬県の最低賃金が892円で、飲食や小売店の時給相場が1,100円程度。
そこに1,500円で募集があったわけですからごっそり人が奪われることになり、
群馬の経営者はこんな悲鳴をあげたといいます。

「時給1,500円。ありえない、これじゃ令和の黒船だ!」

●たしかに黒船です。

時給1,100円でも限界に近いのに、1,500円で募集されては飲食や小売の経営者は
たまったものではありません。

しかし、時給1,500円程度で驚くのはまだ早いようです。

●アメリカのカリフォルニア州では新しい法律が決まり、2024年4月から同州の
ファストフード業界で働く人たちの最低賃金が25ドル(約3,000円)に引き上げ
られるのです。
いいですか。最低賃金が25ドル(3,000円)なんですよ。

●同州に集中出店しているメキシコ料理のファストフード『チポトレ』は新しい法律が
施行されるタイミングで「当然値上げする」と宣言しています。
日本未上陸の『チポトレ』はメキシコ料理の人気店。業績は絶好調ですから
時給3,000円なんて平気で吸収できるコストですが、それでも価格転嫁は避けられない
というわけです。

●海の向こうのできごとと高をくくっていると群馬みたく黒船が襲います。
遅かれ早かれ、全国各地で賃上げの波が押しよせるはずです
そのとき、賃上げ相当分を吸収できる企業体力があり、価格転嫁できるところにとっては「賃上げどこ吹く風」でしょう。
しかし、企業体力が乏しく価格転嫁もできないところにとっては、賃上げという黒船は
かなり厄介です。つまり2024年は賃上げ対応力の差が明暗を分けます。

●賃上げラッシュの2024年。

いつでも値上げできる準備をしておきましょう。