時事ネタ

観るべし、ゴジラ-1.0

●『ゴジラ-1.0』を観てきた。「ゴジラ マイナスワン」と読む。

戦後、すべてを失った日本はゼロになり、ゴジラの来襲でマイナスになった。
舞台は終戦直後の東京。
文字どおり焼け野原になった東京にゴジラが現れる。映像技術がどんどん進化し、
子どものころみた「怪獣映画」ではない。本当に戦後の銀座をゴジラが破壊しているようだ。

●封切り直後なので映画の内容については何も言えないが、私はこの作品で感動し、
涙した。ゴジラシリーズはこれが37作目であり、国産の実写作品としては30作目。
7年前の『シン・ゴジラ』以来の作品となる。実はゴジラの生誕は私と同じ1954年。
生誕70周年を記念しての新作だが、すばらしい作品になった。

●ゴジラはもともと深海で生き延びていた約1億4000万年前の恐竜のこと。
度重なる水爆実験によって眠りからさめ、水爆エネルギーを全身に充満させた巨大怪獣と
なって人類に襲いかかってきたわけだ。
最初にこの怪獣を目撃した小笠原諸島の大戸島(おおとじま、架空の島)の伝説によって
その怪獣は「呉爾羅(ゴジラ)」と呼ばれる。

●今回の新作も1945年、終戦間近の大戸島から始まる。
特攻隊員・敷島浩一(神木隆之介)が乗る零戦が特攻へ向かう途中で機体が故障し、
大戸島の守備隊基地に着陸する場面から始まる。

●私はゴジラシリーズの映画をかなりたくさん観てきたが、今回が一番おもしろかった。
ハリウッドの『ジュラシック・パーク』シリーズと比較してもまったく遜色なし。
むしろ日本が舞台だけにリアリティさではゴジラの方が上だ。

●この新作は全米でも1500以上の映画館で12月に公開予定だとか。
過去にもゴジラシリーズは海外で注目されてきたが今作は興行的に最も成功する日本映画になるのではないかと予想している。

●館内を見渡すと、中高年が圧倒的に多い。子どものころにみた怪獣映画の主役「ゴジラ」が衰えることなくいまも元気に日本をどん底の恐怖に陥れている。その変わらぬ姿に
「自分もがんばらねば」と思うのか。

●映画の山場で流れるゴジラのテーマ曲。実にかっこよくワクワクする。映画って音楽が
大切なんだ。
それに今回の役者、すべてツボにはまる演技で感情移入できる。その後も予期せぬ感動の
シーンがつづき、ついにゴジラ映画でハンカチのお世話になった。「もう一回みたい」と
思わせるゴジラ映画って過去にあっただろうか。

●エンドロールがもうすぐ終わろうというとき、「ズドン・・・、ズドン」とゴジラの
足音が近づいてきた。なに?この不気味さ。

そして最後の最後に・・・。

外にゴジラがいるような気がして、場内が明るくなっても立つことができなかった。

★ゴジラ-1.0 https://godzilla-movie2023.toho.co.jp/