世界経済

金利高倒産ラッシュのはじまり?

●名古屋のブルックスブラザーズでは売っていないシャツが東京の表参道店に売っていた。
2020年にアメリカのブルックスブラザーズが倒産したとき、日本のお店はどうなるのか
心配したが、幸い営業が続いているのでファンとしてはありがたい。

●日本ではユニクロやワークマンが利用者の嗜好に対応して絶好調なのに、ブルックス
ブラザーズは販売不振で倒産した。
伝統的なトラディショナルファッションにこだわるあまり、利用者の要求の変化に対応
できなかったのだ。変わらなさすぎたのだ。

●そして昨日、米シェアオフィス大手の『WeWork』が倒産したと報じられた。
米国破産法第11条を申請したもので、日本の民事再生法にあたる。
つまり再建される可能性があるということだ。
気になるのは「日本のWeWorkはどうなるの?」ということ。
それについてはWeWorkジャパンが次のようなコメントを発表した。

・・・
WeWork Japan は WeWork Inc.、ソフトバンク株式会社などの共同出資による合弁会社であり、単独の法人として独立性をもった経営を行っております。当社が日本国内で運営
する40拠点については、通常通り営業しております。また、これらの拠点は高い占有率を示しており、今後も変わらず営業を継続する予定で、閉鎖の予定はございません
・・・

●倒産の理由としてはコロナ禍での利用者減と米国金利高の影響といわれるが、もとを
ただせば投資家からの信用を失ったことが最初のつまづきで、それが結局は最大の
つまづきでもあった。
創業者のアダム・ニューマン氏が投資家からお金を集めたい一心でウソをつき続けていた
ことが発覚したのだ。

●「利益は出ている」「資金は潤沢にある」「IPOは時間の問題」といった発言を続けた。台所は火の車だったことが後に判明し、多くの投資家から見放されてしまったのが大きい。
後にニューマン氏は引責辞任し、同社はIPOにこぎ着いたわけだが、同社を取りまく不信感は完全にはぬぐいされなかったようだ。

●米WeWorkの倒産理由はブルックスブラザーズのそれとは違う。しかし、コロナ禍で
利用者が減り、金利高の影響で力尽きたという点では似ている。

●日本も異次元の金融緩和政策にはピリオドが打たれようとしている。
確実に金利高に向かって舵が切られたわけだ。そうなると、借金体質の企業は金利負担が
耐えられなくなって倒産する。

WeWorkが金利高倒産ラッシュのノロシとならなければよいが・・・。