昨日のつづき。
この物語はフィクションです。
実在する人物・組織とはまったく関
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俺の名は肇(はじめ)。
大坂に来て日働きの労働者をしているうちに暴力団の組員になった
ある日、「太郎御仁」という男に長谷川さんという経営者を紹介さ
御仁がつくる鍋が完成するまでの間、酒を酌み交わすことにし
だが俺は酒が弱いのか、それとも疲れていたのか、すぐに眠ってし
その直前に俺は長谷川さんに夢を聞かれた。
夢など考えたこともないが、「トップになる」とホラを吹いた。
長
「ヤクザにしておくのはもったいない」と長谷川さんに養子縁組し
そのあとはトントン拍子だった。
長谷川工務店はでかい会社にな
たくさんの政治家とつきあううちに自民党の大物議員と出会い、挙
その大物は自民党のトップに
俺の立場も
総裁になった最初の夜、俺はほかの自民党議員の誘いをすべて断
そして、その足で大阪へむかった。
太郎御仁は今年90歳になるが、今も元気だ。
「トップになる」と大ボラを吹いたおかげで今がある。
太郎御仁の
「とにもかくにも乾杯しよう」と太郎御仁は焼酎を持ってきてくれ
「肇、そろそろ起きろ」
疲れているのだろうか、それともまた飲み過ぎてしまったのか。
太郎御仁に揺り起こされて目がさめた。
どうやら俺はまた眠ってしまったようだ。
長谷川さんと初めて会っ
「肇、粥ができたぞ」
肇が起き上がると、目の前に長谷川さんが座っていた。
俺は幽霊かと思い、「ウワッ!」と声を出しながらうしろに下がっ
「こらこら、何をしておる。粥がこぼれるではないか」
後ろには粥を運んできた太郎御仁。
「え、長谷川さん。どこからが夢で、どこからが現実」と肇。
「全部夢で、全部現実じゃ」
太郎御仁が鍋を振る舞いながら笑った。
長谷川さんも笑っていた。
・・・・・
三日間にわたってお伝えしてきた「肇の夢」。
これは「邯鄲の夢」(かんたんのゆめ)、「邯鄲の枕」(かんたん
一人の青年がうたた寝をする間に、栄華をきわめる自分の後半生
夢から覚めてみると、宿の亭主が先ほど炊いてい
ごく短い時間しか経っていなかった
私たちもいま、夢の真っ最中にいる。
どうせ醒める夢ならば、思いきって暴れてやろう。
★邯鄲の夢(かんたんのゆめ)→ https://goo.gl/c8H2QX