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寧静致遠

ここは北京、紫禁城(しきんじょう)。歴代の皇帝がこの広大な敷地と膨大な建物を住処とし、ラストエンペラー溥儀(ふぎ)の代まで使われた。
その後、故宮(こきゅう)と名を改め、天安門をくぐって入る北京屈指の観光名所だ。

その故宮の一角で、北京の著名な書家が交代で書のパフォーマンスを見せてくれている。希望すれば好きな言葉を書いて掛け軸などに表装してくれるのだ。

私もさっそくお願いしてみた。どんな言葉を書いてもらおうか、いろいろ迷ったあげく、「寧静致遠」をリクエストした。

“ねいせいちえん”と読む。

これは、かの諸葛亮 孔明が我が子に書き残した言葉に由来する。
「澹泊明志 寧静致遠」を座右の銘とした彼の真骨頂がここにあるようだ。

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誡子書

夫君子之行 静以修身 倹以養?
非澹泊無以明志 非寧静無以致遠
夫学須静也 才須学也
非学無以広才 非志無以成学
滔慢則不能励精 險躁則不能冶性
年與時馳 意與歳去 遂成枯落
多不接世 悲守窮盧 将復何及!
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「それ君子の行ひは、静を以て身を修め、倹を以て徳を養ふ。澹泊(たんぱく)にあらざれば、以て志を明らかにすることなく、寧静にあらざれば、以て遠きを致すことなし。それ学は須く静なるべく、才は須く学ぶべし。学ぶにあらざれば、以て才を広むるなく、志あるにあらざれば以て学を成すなし。滔慢なれば則ち精を励ますこと能はず、険躁なれば則ち性を治むること能はず。年は時と与に馳せ、意は日と与に去り、遂に枯落を成し、多く世に接せず。窮盧を悲しみ守るも、将た復た何ぞ及ばん。」 

澹泊明志 寧静致遠

我欲が強くては志を保つことはできない。一心に努力しないと遠大な所には到達できない、という意味だ。

あいにくそこから先のくだりは意味がわからない。どなたかご存知の方にご教授願えれば幸いだ。

寧静致遠(ねいせいちえん)

私もこの言葉を大切にしていきたいと思い、掛け軸に表装し、東京虎ノ門オフィスに掲げた。