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失点と得点

トリノ五輪は閉幕したが今年も野球やサッカーなどスポーツの話題に事欠かない年になりそうだ。
スポーツの場合、得点-失点の値がプラスであれば勝ちとなる。
例えば、5対0でも8対7でも勝ちは勝ち、立派な一勝なのだ。

だがビジネスではその通りにならないことがる。
3対1や3対2では負けになることがあるのだ。それはどういうことか。

今年初めて泊めていただいたホテル・リッツ・カールトン大阪の場合、「顧客満足とはお客様が満足して、かつ不満でない」という状態を目指しているといういう。

「満足であること」と「不満でないこと」は違うという考えだ。例えば、お客様がホテルにチェックインし、予約どおりの客室が用意できていて、きれいに清掃されているというのは、「不満でない」という状態。つまりホテルとして当たり前のことが当たり前に出来ている状態のことで、この部分にもしミスがあれば、スポーツで言えば失点である。

次に、スタッフの対応が良いと感じたりちょっとしたホテル側の配慮に感動したりすれば、それは「不満がない」という状態ではなく、「満足した」という状態だ。スポーツで言えば得点したことになる。

失点ゼロ+得点の両方が相まって「顧客満足」が生まれるとリッツ・カールトンでは考えているのだ。ホテル内にあるレストランやショップなどすべてがこうした考えで運営されているという。 

もし仮に、予約と違う部屋が用意されていたり、床にシミが付いていたり部屋にニオイが残っていれば即失点だ。この失点もスタッフが上手に対応すれば、一点くらいは許してくれるかもしれない。だが、許していただくことを期待する時点ですでにサービスとしてはアマチュアレベルであることを認めてしまうことになる。
ましてや二点目の失点があればその瞬間にコールドゲーム、次の試合はない。

リッツ・カールトンでは失点ゼロ、つまり、欠陥ゼロへのプロセスマネジメントが徹底されていることは言うまでもない。
それと同時に、同ホテルのサービスを支える有力ツールとして「クレド」の存在が話題になることが多い。
私は先週の廣島非凡会で、カンドウコーポレーション(福原社長)のクレドを見せていただいた。

これはよい。あなたも作るべし。クレドとは何か、明日はクレドについて書いてみたい。