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倍を目指す必要

会社の将来について、経営者は何年先までを見通すべきだろうか。

「先が読めない時代だから単年度計画を作るのが精一杯」という意見も多く聞かれるが、私はそれに賛成しない。
ドラッカーが、「1年でできることはことの他少ないが、5年でできることはことの他、多い」というような言葉を残している。私もそう実感している。したがって少なくとも5年先までの目標や計画を作っておく必要があると思うのだ。

1年でできることはそんなに多くはない。
だから、単年度計画は固く見積もった目標を掲げ、達成に固執しよう。
達成と勝利が組織に勢いをもたらすからだ。

5年でできることは結構多い。
だから想像力を駆使して、大胆な飛躍の絵を描こう。

冒頭にも紹介したドラッカーの言葉は、目標設定の目安をわかりやすく提示してくれている。
「10年以内に規模を倍にできないのであれば、資金、人、資源の生産性を倍にする目標を掲げなければならない」

10年で倍増するためには、年率7.2%の成長が必要になる。大企業にとっては大変な数字だが、中小ベンチャーにとっては難しくなんかない。もしその程度の成長が見込めない事業なのであれば、中味をより良くするための目標が必要なのだ。

例えば労働生産性を高める目標を掲げるのも良いし、労働時間で割った人時生産性でも良い。社長の意図がもっとも反映された指標を作り、その数値を定点観測していくことが生産性向上への取り組みの第一歩なのだ。

労働生産性について
http://www.jusnet.co.jp/business/kessan39_3.html 

「目標、目標、数字、数字で社員をしばりたくない。それより、もっとノビノビと仕事をやってほしい」という社長もいるが、ノビノビと仕事をするということはどういうことかを定義づけし、それを数字目標にすることが大切なのだ。

組織には挑戦が必要であり、それは目標や数字に置きかえる必要がある、ということを決して忘れてはならないだろう。