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傷ついた枝

理由はわからないが、経験上 “こうすればうまくいく” というような叡智をたくさん身につけている人が名職人であり、プロフェッショナルだ。

先日、柿の栽培に情熱を注ぐ農家の方からたいへん興味深いお話しをうかがった。
それは、「美味しい柿の実は傷ついた枝になる」という話だ。

事実、そうらしい。ベテラン農家ではそれを知っていて、故意に枝に傷をつけるなどして活用しているというのだが、それがどんな理由によるものかはわかっていない。

たぶん、枝が傷ついて弱っているのをみて、根っこや幹が必死になってその枝を救おうと養分を送るからだろう、というのが憶測だがそれが証明された訳ではない。

私はこの話を聞いたとき、野菜ビジネスで失敗したユニクロの柳井会長の談話を思い出した。

「野菜ビジネスは、カネがあり人材もいたから、うまくいかなかった」

さらに、こう続く。

「カネがない、ヒトがいない、モノがない、チャンスがないことは、事業を成功させる4大条件だと僕は思っています」と。

柿の実のように、厳しい環境にあることそのものが成功の条件だと考えるようにしよう。

・「美味しい柿の実は傷ついた枝になる」

    ↓   応用    ↓

・「優秀な人材は困難な部門で育つ」
・「すぐれた事業は過酷な条件下で育つ」
・「逆境がないということが大問題だ」