Rewrite:2014年3月28日(金)
あの人は頭がいい、というときの「頭」には二種類ある。
IQ、知能指数(Intelligence Quotient, IQ)とEQ(Emotional Intelligence Quotient)である。EQは別名「こころの知能指数」ともいわれている。
社員には何よりも「スマートさ」を要求したビルゲイツ氏は、社内システムにもスマートさを求めた。その一環として独自に開発した「マイクロソフト・セールス」という販売管理システムを使っていた。マーケティングに関するすべてのデータをこのシステムに集約し、販売政策上の意思決定を支援するものだった。その基礎データとなるものは、各種の統計値や、独自で集めた顧客属性データ、代理店などから集約する販売数値などだ。
『思考スピードの経営』ビルゲイツ著 日経ビジネス人文庫 には、次のような一節がある。
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われわれの小都市向けマーケティングの中心部分は、販売情報データベース、「マイクロソフトセールス」だった。これのおかげで、われわれは、地域別、国別、顧客規模別、製品分野別、販売員別、さらには郵便番号別など、考えられるありとあらゆる形でデータを掘り下げることができる。それは、セールスマネージャーがボタンを一回クリックするだけで入手できるものでなければならない。紙に頼るシステムでは、この作業は不可能だったはずだ。
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人間の知性を補って余りあるコンピュータ活用、それがIQ経営のひとつのイメージである。
ハーバード大学の心理学者ガードナー博士によると、人生に有用な知性は多岐にわたるが、大別すれば次の7種類だという。
1.言語的知性・・・・・IQ
2.論理数学的知性・・・IQ
3.空間的知性
4.身体運動的知性
5.音楽的知性
6.心内知性(セルフ・コンセプト)-人格的知性・・・・EQ
7.対人関係知性(ソーシャル・スキル)-人格的知性・・EQ
博士は、「EQ」においては次の5つの技術をマスターすることが重要だという。
・自分自身の感情を知る技術
・感情をコントロールする技術
・自分を動機づけする技術
・相手の感情を認識する技術
・人間関係に対処する技術
私たちは日々の仕事や生活で様々な感情を抱いている。義務教育で私たちは「IQ」向上にかかわる学習をしてきたわけだが、「EQ」向上に関する体系的な学習はしてきていない。運の良い生徒たちは学生時代から良き師、良き先輩に恵まれ「EQ」が成長した。だが、多くの場合、社会人になって学習していくことが多い。
企業はIQとEQのどちらか一方に偏ることなく、両面から良い人材を採りたいと懸命なのである。