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明日を支配する

ゴールデンウィーク入り直前の4月25日は、ちょっとした記念すべき日だった。それは、東証一部上場企業の倒産が一年間発生ゼロを達成した日なのだ。これは、8年ぶりの記録らしい。ちなみに、東証一部上場の倒産件数は次のようになっている。

90年(平成2年) 0件
91年(平成3年) 0件
92年(平成4年) 0件
93年(平成5年) 1件(にっかつ)
94年(平成6年) 0件
95年(平成7年) 0件
96年(平成8年) 0件
97年(平成9年) 8件(京樽、雅叙園観光、ヤオハン、三洋証券など)
98年(平成10年) 4件(大同コンクリート、大倉商事など)
99年(平成11年) 2件(佐々木硝子、山一証券)
00年(平成12年) 8件(長崎屋、そごう、ライフ、赤井電機など)
01年(平成13年) 8件(池貝、マイカル、大成火災、青木建設など)
02年(平成14年)13件(殖産住宅、佐藤工業、宝幸水産など)
03年(平成15年) 4件(神戸生絲、セザール、福助など)
04年(平成16年) 3件(大木建設、地産トーカン(旧商号)など)

※参考:帝国データバンク TEIKOKU NEWS 2005年5月6日号

一部上場企業のどこかが毎月のように倒産していく時代があったことを思えば、今の経営環境は悪くないのかもしれない。だが、倒産ゼロだからといって、もろ手をあげて喜んではいられない。
大手スーパー「ダイエー」の再生などにみられるように、債務免除などを盛り込んだ事業再生スキームが用いられていることも倒産ゼロに貢献しているからだ。

大会社といえども「急に良くなる」「急に悪くなる」ということが起こりやすい経営環境になった。「良い会社」という評判を得ていた会社がおかしくなり、やがて成績不振となり、ついには社長が降板するというような“異変”が猛スピードで行われるようになったのだ。
ユニクロしかり、ソニーしかり。

その逆に、同業種でありながら大改革をなし遂げ、見事な筋肉質企業に造りかえつつある会社もある。
経営者の腕前いかんで会社は良くも悪くもなるということが、すぐにわかる時代になったとも言えよう。

まさしく『今日の言葉』でご紹介した、名言が当てはまる。

「ぼんくら会社がいつのまにかトップ企業にのし上がり、やがてまた元のつまらぬ会社に戻ってしまうのに、昔はほぼ三世代、ざっと百年かかったものだ。それが今は、たったの五年だ」 

リーダー的組織といえども変革に成功しないかぎり生き延びられない。ドラッカーは『明日を支配するもの』の中でこう述べている。

・・・
確信をもって言えることは、ビジネス、教育、医療その他いかなる分野においてであれ、今日リーダーの地位にある組織の多くが、これからの30年を生き延びられず、少なくとも今日の姿では生き延びられないということである。
・・・

大会社ですら今と同じ姿で30年間も生き延びられないならば、中小零細企業では、5年間もは同じ姿でいられまい。私たちは、変革に成功しなけらばならないのだ。
変革に成功するためにはどうしたら良いか。

それは、一回の変革で成功させようと思わないことだ。変革することを組織の常態にしよう。毎月何かひとつ、どこかで何かが変化している状態を作るのだ。同じことを同じやり方でχ年以上続けることを良しとしない考え方をもとう。

・今月何を変える?
・今月何を始める?
・今月何をやめる?

これに対して各部門からひとつずつアイデアをもちより、実行してみてはいかがだろう。それが「明日を支配する」ためのパスポートだと思う。