ソフトブレーンの宋社長と対談させていただいた。中国からの留学生として来日され、その後に起こした会社をあっという間に上場させた秘訣を知りたくていろいろとさぐってみたかったのだ。
対談の模様はいずれ「がんばれ社長!」でご紹介するつもりだ。
今日は、宋さん(ご本人は「宋社長」と呼ばれたがらない)からお聞きした興味深いお話しの中から、情報というものを考えてみたい。
ソフトブレーン株式会社 http://www.softbrain.co.jp/
情報とは何か? 広辞苑によれば、
・あることがらについてのしらせ
・判断を下したり行動を起こしたりするために必要な、種々の媒体を介しての知識
とある。
宋さんはまず、ビジネスに必要な「情報」とは何かを本質的に考えることが大切だと説く。
宋さん自身は、情報ということばの語源にまでさかのぼって考えたそうだ。それによれば、情報とは、「敵情報知」を略した言葉だという。敵情を報知する活動が情報なのだと。敵の情勢を報知するとは、敵がどこに何人いてどのような装備をしているというような事実を報知(知らせる)することなのだ。そこにあるのは、すべてが事実であり、客観的なものであって予測や憶測・主観は含まれない。
ビジネスや経営に必要なのは敵情報知という意味での「情報」だと宋さんは考えた。特に営業活動を支援するソフトウエアとシステムを開発する会社が宋さんのソフトブレーン株式会社の本業だ。営業活動における情報収集が日本企業ではどのように行われているのかを調べて愕然としたという。
例えば日報などの報告書関係。私自身もいろいろな会社の報告書を見させてもらってきたが、多くの会社では次のような「情報」が報告されているものだ。
・この会社には予算がないと思われ、当面は期待がもてない
・何とかがんばって今月中の受注に持ち込みたいと考えている
・この会社から紹介を得るために最善を尽くしたい
・・・etc.
残念ながらこれらの「情報」は、敵情報知という意味からすると失格だ。経営者の意志決定のために使える情報になっていないのだ。
では何が本当に使える情報なのか。それは、主観が交わらない事実である。出来れば定量化されるような、択一アンケートの方式に近い営業日報であれば良いと考えた。
それが今日のソフトブレーン社のシステムの根幹を成す発想だ。
「敵情報知」という言葉の敵情の中には、自社も含まれるだろう。
要するに知りたい対象はすべて敵だと考えれば良い。あなたが意志決定するために必要な敵情は何か?それを客観的に知るためにはどうしたら良いかを考えてみよう。