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今年の読書戦略

メンター(心の中の師匠)、またはそれに近い人物が古今東西に何人かいる。吉田松陰しかり、坂本竜馬、高杉晋作、西郷隆盛、東郷平八郎、織田信長、ドラッカー、ジム・コリンズ、ドン・コルレオーネ、セント・オブ・ウーマンでアルパチーノ演じる盲目の軍人、・・・)

彼の歴史小説を読んで影響を受けた、あこがれを感じたという意味から、司馬遼太郎という偉大な語り部も、私のメンターなのかもしれない。
なぜなら、私にとっての坂本竜馬像は『竜馬がゆく』で出来たものであり、それ以外の竜馬像は知らないのだ。だから、生前に今東光氏が「竜馬は詐欺師だ」と言っていた意味が今でもわからない。
私にとっては、坂本竜馬=司馬遼太郎が書いた「竜馬がゆく」の竜馬なのだ。歴史家でもない限り、それはそれで良いと思う。

そこで、突然ながら2005年の私の読書戦略は次の通り。

1.読書量について
  月間13冊、年間150冊読む(調べるための本や雑誌、専門誌は除く)
  要するに毎週三冊。決して多いとは思わないが、私にとってはチャレンジング。
  
2.本の購読について
  書店買いとネット書店買いを組み合わせ、年間250~300冊程度の本を購入する。

3.記録
  買った本、読んだ本とその要点・評価を記録する

4.強化年間
  ・2005年強化対象作家:司馬遼太郎(未読の10作品読む)
  ・2005年強化テーマ:Back to the my BASICS
       ・・・「私に絶大な影響を与えたMy古典を再読する」
  ・新たな愛すべき作家を発掘する
  
5.その他
  ・読書友人、読書メルマガの情報を大切にする

さっそく先週末、強化年間ということもあって『司馬遼太郎という人』(和田宏著 文春新書 2004年10月刊)を読んだ。
司馬遼太郎さんがどのような人だったのか、担当編集者として30年以上かかわってきた作者ならではのネタが満載で、ファンにはたまらない一冊である。

司馬遼太郎という人
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166604090/ 

司馬さんは、太宰を全部読んでいたとか、海音寺潮五郎を敬愛していたとか、宮城谷昌光さんの歴史小説を高く評価していたなど、興味深い。

多くの作家がそうであるように、司馬さんも世に出たあと自分の作品を読み返すことは滅多にしなかったそうだが、あるとき『梟の城』を読み返すことがあった。読んでから、しみじみと「これ、おもしろいねぇ」と人の作品のように親しい編集者に語ったと言う。

ちなみにこの作品は、氏が産経新聞文化部勤務時代の’60年(昭和35年)に書いた作品であり、直木賞受賞作でもある。氏の立場を決定づける『竜馬がゆく』は’66年(昭和41年)なので、小説家駆け出しの作品だ。

来年のNHK大河ドラマは、『功名が辻』に決まっている。山之内一豊の妻・お千代が主人公で、早くも楽しみだ。
さらに再来年は、司馬遼太郎が映像化を拒み続けてきた作品『坂の上の雲』が放送される。

世代を超えて日本人に愛され続ける司馬遼太郎さんの魅力をさぐってみようというのが今年の読書戦略だ。