昨日号で予告した薩摩人・桐野利秋に入るまえに、まずはクイズ。
先週届いたこのメールは、さて何才の方のものだろうか?
・・・
いつもメルマガを読んでいます。
なぜかと言うと私は将来社長になりたいからです!!!とてもメルマガは勉強になります。
経営コンサルタンツ会社を設立しようと計画しています。
私はセッティングしたり、企画を作ったりアドバイスしたりすることが得意です。だから自分に適している経営コンサルタントになりたいんです☆
そして、働いて信頼を置かれるようになったら、スポンサーに自分の教育への考えをして理解・協賛してもらい、最終的に日本に新しいボーディングスクールを創りたいです!
なぜ、いきなり経営コンサルタントから教育かというと国の基盤を作るためには教育を建て直さなければならないと思うからです。だから私は本当の教育を行いたいのです。
それはただ単に先生になるために勉強をするのではなく人生経験や色んな勉強をしてから行き着いたのが『教育者』という方が生徒が人生にとって本質的な色々な事を学べると思うからです!!!
そのためにも私は今年の4月からカナダに留学します!カナダでもメルマガを読みたいと思います!
武沢さんもがんばってください♪♪
ps・私の夢は絶対に実現させます!!!!応援よろしくお願いします。
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彼女(SKさん)は実名でブログもやっており、4月からはカナダ情報も掲載するという。許可を得ていないのでそちらの紹介は後日に譲る。
実は彼女、中学三年生(15才)なのだ。最初、このメールが届いた時はにわかに信用できなかったが、彼女の二通目のメールとブログを見て確認した。剣道とキャンプが大好きな中学三年生なのだ。
・・・今の学校では私の考えを理解してくれる人は多くありません。
武沢さんやいろいろな方に私の意見を共有してもらえれば嬉しい限りです!
・・・という続報メールまで届いた。
ある意味、理解者が少ないのは当然だろう。
「国の基盤を作るために教育を建て直す」とか「単に先生になるための勉強ではなく人生経験やいろんな勉強をしてからの教育者」という表現など、今時の中学生とは思えない。
こんな“無謀”な夢をもつことなど、周囲をハラハラさせるだろう。
だが、考えてみれば江戸時代以前は、男女ともに元服の儀式があり、SKさんの世代はもう大人扱いを受けていた。
元服とは、今の成人式みたいなものだが、今のように年令で定められてはいなかった。大人として自分の責任を自分で果たすことができると周囲が認めた日に元服を行った。男女ともおおむね15才前後だったという。つまり、SKさんは、立派な元服世代なのだ。
江戸時代の末期、吉田松陰とならび称された橋本左内は、十五歳の時に『啓発録』を書き、次の五項目をあげて自らをいましめている。
第一 「稚心を去れ」(去稚心)
第二 「気を振え」(振気)
第三 「志を立てよ」(立志)
第四 「学を勉めよ」(勉学)
第五 「交友を択ぶ」(択交友)
一番目に出てくる「稚心」とは何だろうか。幼稚な心、つまり子供っぽい甘ったれた気持ちを去れという意味だが、甘えとは何かだ。
それは、誰かに依存するという姿勢だろう。自分の命は自分で守る、という覚悟を決めている人が大人であり、親や大人に助けてもらおうと思っているのが子供である。その境目が元服だ。肉体年令が何才であろうと、稚心が残るかぎり本当の大人にはなれない。15才のSKさんに見習いたい。
<今日はこれで紙面が尽きた。明日こそ桐野利秋>