★テーマ別★

宋さんという社長

たった今、ある社長と再会を約してお別れした。

地下鉄日比谷線「八丁堀駅」から徒歩0分にあるこの会社は、ソフトブレーン株式会社という。今日の午後、二階の応接室に通されコートを脱いでいたら、私の本を二冊携えて宋社長が表れた。
20年前に中国の国費留学生として来日した宋文洲(そうぶんしゅう)さんが作ったこの会社が大成長。今や押しも押されもせぬ東証二部上場企業なのだ。

「武沢さん、私から会いたいとご連絡しながらご足労いただいてスミマセン。私の方が出向くべきなのに」満面スマイルで上場企業の社長とは思えぬ謙虚さで語ってくれる。

名刺交換を終え着座するなり、今度は一変して笑顔が消え

「武沢さん、批判するわけではないが、あなたのこの本『志経営のすすめ』は、どうして社長向けに書いたのですか?この本こそ、日本のビジネスマンみんなに読んでほしい内容だ。特に・・・」

僕はこう思うんだ、という意見を独自の視点から率直に述べることができる。しかも問題を指摘するだけでなく、解決するための方法論やシステムまでも語ることができる。しかも真剣に、我が事のように。これが宋さんをしてこんにちたらしめたように思う。
そのあたりは、宋さんの著書を一冊読まれれば充分に伝わってくるはずだ。

「道徳のない経済は犯罪である。経済のない道徳は陳腐である」という二宮金次郎の言葉も宋さんから教えられた。

合理性・科学性と、人間性・社会性のバランスがとれた真面目な経営者というのが初対面の印象。今日は短時間で面会を終えたが、次回は是非とも人間・宋文洲さんに絞ったお話しと、同社の人気ソフトの機能などもお聞きしたいと思っている。

ソフトブレーン株式会社
http://www.softbrain.co.jp/
宋さんの著書「やっぱり変だよ日本の営業」
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4931466656/

<宋さんのプロフィール>

1963年、中国で生まれ。文化大革命で迫害される幼少時代を送った。中国東北大学卒業後、北海道大学工学部で博士号を取得。天安門事件により帰国を断念して就職した札幌のソフト会社がすぐに倒産したため、大学院で研究用に開発した土木開発ソフトを売り歩いたところ、13億円ほどの売り上げになった。これを資金に92年ソフトブレーンを設立、2000年東証マザーズ、2004年東証二部上場。営業改革用パッケージ・ソフトや、中小企業向け営業プロセスマネジメントのASPサービスを提供。