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ゆっくりやれば儲かることの問題


Rewrite:2014年3月28日(金)

オフィスに新しいパソコンを2台入れた。ひとつは私用のノートパソコン、もうひとつは事務スタッフ用にデスクトップである。ネット環境やプリンターなどの設定、データファイルの同期など、すべて女性アルバイトにお願いした。かなり時間がかかると思っていたが、信じられないぐらいに仕事が早い。休憩も取らず集中してやってくれた。一日はかかるだろうと思っていた仕事が3時間足らずで終わってしまった。聞いてみると、「残業したくないから」だと言う。

「以前の職場では、LAN工事と環境設定を専門に仕事していましたが、同僚たちはみんなすごく仕事が遅い。というより、時間までに終われば良いと思ってのんびりやっている。私が早く終わってしまうと仲間たちが『そんなに早く終わると売上げが上がらないよ』って言われましたけど、私は早く帰りたいたいんです」
なるほど、のんびりやった方が売上げが上がる職業というものがあるものだ。

サービスを売る会社にとって最大の問題は料金設定であることが多い。例えば、弁護士や経営コンサルタント、広告企画会社や建築作業員などだ。時間制料金である限り、生産性が飛躍的に伸びると言うことはない。何より顧客に不親切なのが問題だ。なぜならのんびりやらないと売上げが伸びないという図式があるからだ。

例えば、大工なら一人一日20,000円〜30,000円、システム開発担当の契約社員は時間給3,500円、経営コンサルタント会社に市場調査を依頼すると一人一時間15,000円、弁護士に法律相談に行くと一時間10,000円、といった具合。
すべて時間制料金である。

こうした料金システムに顧客は何らかの不信と不満をもっている可能性がある。かといって、そうした時間制料金を設定している彼らは高収益かというとそうでもない。彼らも満足しているわけではないのだ。それは、「役務」の時間が評価され、「知恵」や「アイデア」「技術」の部分が評価されにくいという問題である。

わずか30分の打合せで提出した企画プランに10万円の請求を出すことができない。30分という「役務」は、1万円の価値しかない。残りの9万円は知恵やアイデアの値段のはずだ。

時間の長さで費用を請求するビジネスに明日はない。むしろ早くやればやるほど高い費用を請求できるビジネスに将来性を感じるのである。