Rewrite:2014年3月26日(水)
プロ野球が好きな私はよく球場へ足を運ぶ。しかし一番好きなのはシーズンオフである。日本シリーズが終わった11月から3月のオープン戦までの期間が好きである。なぜなら、チームの補強戦略合戦と育成戦争が毎日くり広げられ、チームごとの方針の違いが色濃くなるからだ。
監督と選手の関係も興味深い。優秀な監督ほど選手との人間関係をつくるのがうまいように思う。
経営者も、優秀な人ほど部下との関係作りがうまい。
ドラッカーは『経営者の条件』のなかで、つぎのように書いている。
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私が知っているなかで最もよい人間関係をもっていた者はだれかを問われるならば、次の3人をあげる。第二次大戦中のマーシャル将軍、1920年~1950年代半ばにGMのトップを務めたアルフレッド・スローン、スローンの年上の部下で不況のさなかにキャデラックを豪華車として成功させたニコラス・ドライスタットの3人である。彼ら3人は、これ以上違いようがないほど違っていた。
(中略)
その彼らが3人とも、同じように部下たちから深い献身と愛情をもたれていた。3人とも、それぞれの仕方で、上司・部下・同僚との関係を築いていた。3人とも、仕事の必要上、多くの人たちと密接な関係をもって働き、気を配った。もちろん3人とも、人事については厳しい意思決定を行わなければならなかった。しかし、彼らのうちの一人として、人間関係に悩むことはなかった。彼らは、人間関係を当たり前のこととしていた。
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適切な人間関係を作ることを当然のように行える社長が良い仕事をする。
いつも部下と衝突したり、大声で怒鳴ったり、反対に落ち込んでしまっているようではまずい。何のための人間関係作りなのかをもう一度、問うてみよう。些細なことで対立していないだろうか。
プロ野球であれば「勝つ」ことが監督と選手それぞれ共通の目標だ。ビジネスでも「目標達成」が経営者と社員それぞれの共通目標であるはずだ。つまりベクトルは合っているはずなのである。人間関係は当然のことながら適切に処理できなければならない。それがトップの器というものである。