植物には無限に近い可能性がある。それを証明したのがかの有名なハイポニカ農法によるトマトだろう。
普通のトマトはひとつの苗から20~30個程度しか実がならない。だが、ハイポニカ農法を使えば、同じ種でも1万数千個の実がなるという。
特殊なバイオテクノロジーを使うわけでも何でもない。土の代わりに、十分な水の中に根を張りめぐらせ、必要な養分を絶え間なく与えるだけである。
ハイポニカトマト http://www.kyowajpn.co.jp/kentou/kyoboku.htm
この農法を発明した野澤重雄氏のコメントが興味深いのでご紹介しよう。
・・・
種に良し悪しはない。大事なことは、まだ小さい苗の時に、自分はどんどん生長しても必要なものは充分与えられるんだという安心感があること。
そうすれば苗は世界を信じ、疑うことなくどこまでも伸びていく。
そのような考えで植物が本来持つ潜在能力、生命力の大きさ、深さ、豊かさを引き出しただけである。
自然は、我々の知識をはるかに超えた高いレベルの機能を持っているので、植物自身が信じて、選択して自分の能力を存分に発揮していく。
・・・
もともと20~30個しかならなかったトマトが潜在能力を発揮したとたん、実が500倍も実るようになった。ハイポニカといえばトマトだけが有名だが、それ以外でも、ゴーヤ、パプリカ、きゅうり、メロン、チンゲンサイ、小松菜、春菊などでも同様に、驚くべき生育ぶりを証明しているのだ。
ところで、
ハイポニカですくすく育つ植物があるのなら、ハイポニカ的発想ですくすく人材が育つということも可能ではないだろうか。
野澤氏のコメントにあるように、「自分はどんどん生長しても必要なものは充分に与えられるんだという安心感があること」を人間に応用する。つまり、栄養が足りなくなる不安を一度も抱かせずに育てるわけだ。
人間にとって、「栄養が足りなく不安」とは何かを考えてみよう。
まず、人間と植物の大きな違いは、自然本能のままに育つ植物に対して、人間は自由意思が働く。その自由意思のなかに誤った情報が入っていれば生育は阻害される。誤った自由意思とは、
1.「もうこの程度で充分」という満足感きっとトマトは、「普通のトマトで充分」などという考えは持たないだろう。
2.自分には出来(ないかも知れない)という自己疑念
3.いま存在している養分(才能や時間や資金など)だけを見つめて未来を見通すこと。養分は潤沢に集まる前提で未来を考えよう。
4.周囲の状況や意見に右顧左眄(うこさべん)すること
ではないだろうか。
普通のトマトになることを拒否し、ハイポニカトマトのような会社経営、人生経営を送ろうと決意しよう。
あなたはハイポニカだ!