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残り時間? 何それ

Rewrite:2014年3月26日(水) 一生涯の持ち時間は約70万時間ある。平均寿命が80年として計算すると、365日×24時間×80年=70万800時間、となる。その中から仕事に割くことが出来る時間はどの程度あるだろうか? 講演会などでこの質問をすると、ヤマ勘で「半分」とか「1/3」などの答えが返ってくるが、実際には15%程度しかない。時間に換算して約10万時間なのだ。20歳から70歳まで50年働くとし、年間2,000時間をかけると10万時間になる。 この10万時間という数字だけではピンと来ないので、仮に一日24時間のすべてを仕事に回せたとしたら12年間に過ぎない。つまり私たちは、人生80年を次のように使っていることになる。 ・睡眠・・・・25年 ・仕事・・・・12年 ・学校・・・・  3年 ・その他・・・40年 意外に仕事時間は短いものだ。学校にいる時間は更に短い。こうしたわずかな時間だけで自分の人生の可能性を推しはかっては損をする。残された人生時間のマネジメントが適切であればライフワークのひとつやふたつ、ものに出来る。 いや、「残り時間」なんていう表現自体が冴えない。「チャンスタイム」に訂正しよう。 よって、時間を上手に活用しなければならない、というようなことをある講演会でお話しした。すると懇親会で60年輩の経営者が歩み寄ってこられ、苦笑しながら言った。 「武沢さん、もっと早くにそうした気づきがあれば良かったけど、この年になるまで、自分はいつまでも若いつもりだったよ」 いやそんな事はない。 「人は成熟するにつれて若くなる」(ヘッセ)という。肉体的には髪の毛が薄くなり筋肉も落ちる。だが、精神的なみずみずしさまでも肉体と歩調をあわせる必要はない。齢を重ね、外見が老けただけの事で自己イメージを下げてはならないのだ。気力をますますとぎすませる必要があるし、それは可能だ。 冒険・挑戦・バカげた遊びは若人だけの特権ではない。釈迦は「四十にして迷わず(不惑)」と言ったが今の平均寿命では、「六十にして迷わず」と言ったところか。 「後継者対策」「老後」「現役引退」などという言葉にはどこか消極的なイメージがつきまとう。終生現役でいきたい。