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雑用と仕事

雑用と仕事の境界線はどこにあるのだろうか?

三省堂WEB辞書によれば、雑用とは「こまごまとした用事」とある。仕事とは、「するべきこと、職業」と訳されている。
この「雑用」と「仕事」の境界線は判断がむずかしい。「あなたのやっていることは雑用ばかりですよ」と言われると、だれでも腹が立つ。
そこで、実例をあげてみてみることにしよう。

今月のある日、私は一日の使用時間の記録をとり、分析してみることにした。

総勤務時間 11時間55分(出社から帰宅まで)

<内訳>

メール処理・・・2時間
社内打合せ・・・45分
顧客との電話・・・15分
顧問先訪問・・・3時間30分(2件)
顧問先からの依頼業務・・・1時間15分
来訪者(印刷会社)との対応・・・45分
インターネットで調べもの・・・45分
移動時間・・・40分
昼食・・・30分
書店・・・30分
部下との雑談・・・30分
その他 休憩・息抜きなど・・・30分

合計11時間55分

一見すると、この1日に何も問題はない。事実、私の日々の中でも良いほうの部類に入ると思う。だが、私の目標に近づく日であったかというと「否」なのだ。

起きている時間は普通18時間はある。勤務時間が12時間だとしても、まだ6時間残されている。その6時間をどのように過ごすかも大切なことなのだ。なぜなら、勤務時間の範囲では、本当に戦略的なことのための時間は滅多にとれない現状を私たちは抱えているはずだ。雑用が多いのだ。

仕事と呼べる時間でも、それは、今を維持・改善するための仕事と、明日を創り出すための仕事の2種類ある。後者の時間が勤務中にとれないことが多いのだ。

私の事務所は個人事務所に近い形態なので、雑用依存度が高いことは覚悟している。組織的な経営をされているところでは、事態はもっと良いはずだ。

だが、経営者にうかがうと、異口同音に時間不足を訴えられる。時間が充分足りていると言われた方は、今まで一人しかいない。

これは、時間の使い方だけの問題と考えない方がよい。関心事項の選択の問題ではないだろうか。

興味関心が多いことは悪い事ではない。しかし、戦線をいたずらに拡張するのはやめよう。冒頭の『今日の言葉』にある通り、80対20で仕事を見つめ直そう。「あれも出来る」「これもやれる」と選択肢を増やし、研究テーマを拡散しているうちは何も出来ない。「何をしないか」を選択し、大切なことに集中していくことが重要だ。