昨日、ニフティ「IPサミット2003」で講演させていただいた。この会は、ニフティサイトから有償コンテンツを配信される企業の経営者や幹部が一同に集う一年に一回の大会。
古河社長の冒頭あいさつは、世界から見た日本のブロードバンド事情の優位性や特殊性について触れ、その中にあって、今後のニフティの使命やビジョンを熱く語られた。
その後、経営陣や幹部諸氏が続々と登壇し、パワーポイントを使っての見事なプレゼンに、私はいたく感動し、聞き入った。
大会最後に私の出番。演題は、「顧客創造・価値創造」冒頭、160名の参加者に向かって、「がんばれ社長!」を読んでいる方がどれだけいるか尋ねてみたところ、わずかに二名。四面楚歌のような雰囲気の中、不慣れなパワーポイントを操作しつつも、会の趣旨をふまえた大役を果たすことができたと思っている。
ニフティさんに感謝しつつ、明後日はこの勢いで山口市役所講演だ。
ニフティ http://www.nifty.com/
山口市役所講演 http://www.saikyo.jp/y-platform/yume2.html
さて今日は、信用するということについて考えてみたい。
聖書の「へブル人への手紙」11章の中に、次のような言葉がある。
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信仰とは、望んでいる事がらを確信し、まだ見ていない事実を確認することである。昔の人たちは、この信仰のゆえに賞賛された。信仰によって、わたしたちは、この世界が神の言葉で造られたのであり、したがって、見えるものは現れているものから出てきたものでないことを、悟るのである。
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望んでいる事がらを確信する能力、まだ見ていない事実を確認する能力が必要なのは経営者も同じだろう。信じる能力を養うのは、自己鍛錬と勇気だ。
以前、友人から「武沢さんは人にダマされやすいというか、乗せられやすいタイプなので気をつけた方が良い」と忠告を受けたことが何度かある。
「そうかなぁ」と思いながらも、私は「ダマされやすい」という評価を、むしろ、ありがたく受け取った。
なぜならば、ダマされやすいというのは人を信用しやすいということであり、それはとても大切な才能だからと思っているからだ。
そういえば、尊敬する師:吉田松陰も最後は奉行所役人の誘導尋問に引っかかって刑死している。それだけではない、処刑にあう前には、獄舎で他の囚人たちと積極的に交流し、お互いの特技や才能を活かしあって、見張り役人をも交えたコミュニティを作りあげたほどだ。いったいどれだけのお人好しだったかと思うと、凄みすら感じてしまう。
昨夜の夕食会でそんな話をしていたら、百式の田口さんが面白いことを話してくれた。それによれば、
「そもそも、国民性の中にも人を信用しやすい国とそうでない国があり、その調査結果を見たことがある。その表のスマートなところは、世界的企業の数と国民性とを対比している点で、人を信用しやすい国ほど、世界企業を多数生んでいる。ちなみに日本とドイツがきわめて人を信用しやすく国だ」
なるほど、うなずける話ではないか。
経営者としては、信じる力を持つことがとても大切だ。では何を信じるか。
1.自分を信じる
2.未来(ビジョン・夢・思想・理念・目標)を信じる
3.人を信じる
この三つが必要に思う。
いずれかが欠けていては、インパクトがでかい仕事ができないと思うのだ。
ニフティさん流の宴会の中締めは一風変わっていた。一本締めでも三本締めでも万歳三唱でもない。
右手親指を前へかざし、「ビリーブ」と唱和するのだ。きっとその中に、
1.自分を信じる
2.未来を信じる
3.人を信じる
の三つの思いが込められているに違いない。