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続・連戦連敗

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「私は1960年代の始まりと同時に20歳になった。高校を卒業して以来、大学には進学せず、家具の製作やインテリアの設計などをしながら、何とか生計を立てている状態だった。」

これは、安藤忠雄著『連戦連敗』の一節だ。今では世界的な建築家の一人である氏も、スタートはエリート路線とは無縁だったようだ。

さらにこう続く。

「改めて“建築”を意識するようになったのは、高校2年の春、上京の折りに訪れたフランク・ロイド・ライトの帝国ホテルとの出会いからだった。とにかく建築で生きていこうという意志だけは固まった。しかし、建築をやっていくとはいっても、そのために何をしたらよいのかが、そのときの私にはわからなかった。大学には行かず、設計事務所に弟子入りもせず、独学で出発しようとしていたのだから、それも当然である。学歴はない、蓄えもない、どこか頼れる当てがあるわけでもない。文字通り、身一つで社会に飛び込んでいった。」


はじめに決意ありき、という言葉があるが、安藤氏の場合もまさしくその言葉が当てはまる。ギリギリの緊張感の中で、建築めざして悪戦苦闘する。でも、この道で生きていくんだ、という固い決意があれば、その緊張も悪くない。さらに氏が際だっていたのは次の一節だ。


「やはり知識に一番飢えていたのだろう。どんなに経済的に苦しいときも、たとえ食事を一回抜いてでも、本だけには惜しみなく金をつかった。建築雑誌などが教えてくれる最新の現代建築の世界と、そこから受ける刺激にはそれだけの価値があったからだ。むしろそれらの与えてくれる夢と希望があったからこそ、厳しい現実を何とか生きていけたのかもしれない。」


経済的な困難による飢えが問題なのではない。安藤氏は、“知識に一番飢えていた”とさらりと言ってのけたが、その向こうに夢と希望があったからに違いない。食事を抜いてでも本を買うという精神が私は好きだ。

ところで、「オリンピックは参加することに意義がある」と言われている。この言葉を誤解するむきもあるが、これは正しい言葉だと私は思うのだ。なぜならば、世界水準のアスリートたちが集い、個人や国の名誉と誇りをかけて真剣勝負するたった四年に一度しかない祭典だからだ。もちろん、オリンピックは勝つために参加するわけだが、そうしたギリギリの勝負を挑んだことによって得られる無形財産の方が、結果そのものよりも価値があると思うのだ。

安藤氏にとって、コンペへの参加は、オリンピックへの参加と同じ意味をもつようだ。それは、次の箇所で理解できる。

「アントワープのコンペもまた敗退してしまったことは残念ですが、試行錯誤の時間が無駄だったとは思いません。さらに、今回のコンペでよかったことは、1等当選を果たしたジャン・ヌーヴェルの提案を遠くから眺めるのではなく、同じ課題に取り組んだコンペティターとしての視点で受け止めることができたことです。自分も参加したからこそ、それぞれの提案のコンセプト、その価値が実感としてよくわかるのです。」

今なお世界の建築コンペに参加する氏の攻撃精神について、もう一度だけ明日の号で取りあげてみたい。


<安藤氏の連戦連敗の話題、明日までつづく>

本『連戦連敗』
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