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終わりのない旅・・指針ある経営

●昨夜、愛知中小企業家同友会で開催してきた「経営指針書成文化研究会2003年春期6回コース」の全メニューを修了した。50名を超える参加者が二班に分かれ、三ヶ月にわたって勉強してきたもの。多くの皆さんが修了証書を手にされたわけだが、今回はあえて「修了証書」とは書かず、「入門証書」と書いた。その賞状の文面は次のとおり。

●入門証書  ○○○○殿

あなたは、2003年春期経営指針成文化研究会に参加し、熱心に学ばれ全課程を修了されました。よってここに、あなたが指針ある経営の入り口に立たれたと認定し、「指針経営入門証書」を授けます。

  平成15年8月5日
  愛知中小企業家同友会経営指針成文化研究会 
  コーディネイター  武沢 信行

●指針ある経営の入門という意味での入門証書だが、その習熟プロセスはこうなるだろう。

・ステップ1.作り方の技法を学ぶ段階
   見よう見まねで良いので、とにかく紙に書きながら考える習慣をつけること。文章表現の難しさなどとも格闘し、それに慣れる段階。

・ステップ2.内容の完成度や納得度を高める段階
   理念やビジョンの内容、数字や行動計画の内容に整合性がとれ、完成度・納得度などの点でも、経営者自身が信頼できる内容に仕上げる段階。

・ステップ3.キーマンとのすりあわせ段階
   社員や金融機関、主力取引先など、方針の内容をすりあわせしておくべき相手と内容を調整し、合意を作っていく段階。

・ステップ4.定期的に見直しする段階
   社内で合意し、正式に発表された経営指針書は、それ以後、進捗確認をしなければならない。経営理念はどのように実現されようとしているのか、方針   の内容は各部門の活動にどう反映されているのか、などの計画と実績とを対比し次のアクションを検討するのだ。

・ステップ5.狂気にする段階
   「思想を維持する精神は狂気でなければならない」(吉田松陰)
   「結果というものにたどりつけるのは偏執狂だけである」(アインシュタイン)
   経営者は社内の誰よりも思想家でなければならない。指針の内容に対して、狂気性をもつ必要があるのだ。そのためには、半期とか四半期での方針見直   しなどでは生ぬるい。
   毎日、経営指針書を作り直し、練り上げなくてはならない。

   そのための技法として、
   ・マンダラート(http://www.mandal-art.com/eye.html
   ・イメージマップ

   など、一枚の紙にすべての情報を表現しきってしまう技法を覚えることも有効だろう。
   
●修了式の後、懇親会があった。ある経営者が発言した。

「私は将来の会社像をしっかりと描いているのに、社員はそれをなかなか理解してくれない。『はあ?』っていう顔をしている。ビジョンの内容を社員に浸透させるのがとても難しいのだが、そうした方法を今回の研究会では教わらなかったのが残念だ。何か効果的な“落とし込み方法”ってあれば教えてほしい。」

●ダメだ、まだこの人は分かっていない。だから「入門証書」にしておいて良かったと思うのだ。あなたなら、この人に何と答えるだろう。


明日につづく