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創発


全国各地で、様々なかたちで異業種交流会が行われている。名称もいろいろで、「○○交流会」「△△ネットワーク」「××クラブ」という具合だ。そうした活動もよくよく見ていくと、実質的には3パターンあるのではないだろうか。これを見極めないと、お互いに時間の無駄になる。
「7つの習慣」(スティーブン・コビー博士著 キングベア出版)では、人の成長プロセスを『依存』『自立』『相互依存』の3段階に分けて解説している。

赤子として生まれ、子供時代には親に養育されて『依存』の段階を過ごす。
やがて成人し、文字通り『自立』して、経済的にも精神的にも親から巣立つ。
さらに成長して、友人や家族、地域社会と『相互依存』し、啓発しあって新しい価値を生み出していく。

この3つのプロセスを経るというのだ。わかりやすい表現である。

最終的なゴールは『相互依存』に違いないが、そこへ行きつくためには、手前にある『自立』という段階を踏まねばならない。また、あまりにも『自立』することに価値を置きすぎると、個人主義や孤立という弊害もある。
また、この3つの段階は、個人に限った話しではなく、企業にもそのまま当てはまりそうだ。
さて、この表現を使ってそのまま異業種交流会に当てはめてみよう。

1.『依存型交流会』・・・集まるメンバーの多くが『依存』の段階にある交流会。『依存』段階にある人には安らぎを得られるが、『自立』や『相互依存』の人にとってはつまらない。

2.『自立型交流会』・・・集まるメンバーの多くが『自立』の段階にある交流会。お互いに発信できるメッセージをもっていて刺激的だ。

3.『相互依存型交流会』・・・活動を通してお互いが機能しあい、新しい価値が創造される交流会。活動の目的自体が「創発」にある。

「創発」(emergence)の意味は、デイリー新語辞典によれば、こうなる。

システム中で,上位のレベルには備わっていなかった機能が、下位のレベルが機能することで発現すること。人工生命や人工知能の分野で重要となる概念。

異業種交流会に参加しようという経営者や、それを主催しようという方は、こうした概念をもって臨むことが大切だろう。

社内もそうした目でふり返ってみよう。社員一人ひとりが今、どの段階にあるのか、会社全体としてはどうなのか、ということだ。
<続く>
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