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社員教育の始め方

社員教育に取り組みたいが、具体的に何をしてよいのか分からない、と言われることがある。
そんなとき私は、「社長塾をすぐに始めましょう」とご提案している。社長塾とは社長が主催する毎週一回のショート研修のこと。たとえば、毎週水曜日の午前 8時から 9時とか、金曜日の午後 7時から 8時半という具合に決める。

社員の出席に拘束力をもちたい場合は勤務扱いにする。自主性に訴えたい場合には勤務扱いにせず、出席ポイントを加算するなどして動機づけをはかった方がよいだろう。

問題は何をやるか、である。

一番手っ取り早い方法は、本の輪読会だ。たとえば、『チーズはどこへ消えた』などのように薄くて読みやすくて教訓に満ちたテキストを題材にする。あらかじめ○ページまで読んできて感想を整理してくるようにうながせば社長塾は効率的にすすむ。読んでくる人が少ないときは、その場で10分くらい読む時間を取る。

★チーズはどこへ消えた → http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=3508

各自が順に感想を言いあいながら、それに対して社長が補足する。そのときには、日ごろの実務に置きかえて話してあげると抽象的にならずに済む。
飲み物やおやつを置いて雰囲気を気軽にするのも良い。ある会社では、早朝社長塾への出席率が低かったのでコーヒーとパン付きの社長塾にしたら出席率が上がったという話を聞いたこともある。

輪読会につかえそうな本はたくさんあるが、最初のうちは物語になっているものや、ページ数が薄くてすぐに読了できるものが適していると思う。

株式会社武蔵野の小山昇社長は、毎週一度の社長塾にあわせて社内用語集をコツコツと書きためた。仮に毎週 10個の単語を解説していくだけでも一年で 500個、二年で 1000個の単語集ができる。それは貴重な社内オリジナルの単語集である。

それが市販の本になったのが『仕事ができる人の心得』(阪急コミュニケーションズ刊、小山昇著)である。

この単語集を読んでいると、小山社長独特の解釈に感心することが多い。たとえば、

「赤字」・・・社長の甘えです。社長が赤字になっても良いと決定したからです。
「金欠病」・・・仕事をして、ジーッとしていれば治る。
「朝令暮改」・・・方針がコロコロ変わること。変化に対応して生きぬくにはこれしかありません。

など、ユニークな小山流解釈がつづく。その数なんと 1277個。

★仕事ができる人の心得
→ http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=3507

毎週の社長塾の準備をしながら「社内用語集」や「社員教育テキスト」を完成させていくというのは一石二鳥の作業になるだろう。

最後に、手前味噌になるが、「がんばれ!社長」が制作した eラーニング『Wish-List マネジメント』(単価 4,725円)などを見ながら皆でWish-List を作る、というグループ学習も社長塾らしくて良い。

★Wish-List マネジメント(eラーニング)
→ http://honkikouza.tv/kouza/wishlist/

このように、社員教育はあまり構えずに、すぐに始められることから着手するのがおすすめである。