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続・小沢のゴルフ

昨日の記事を読んだ方から「武沢さんもゴルフをやるんですか?」というメールを頂戴したが、結論からいえば「やらない」。私は車の運転をやめた 18年前(40歳)を境に、大好きだった釣りとゴルフもきっぱりやめた。コンサルティング会社を旗揚げするとき、趣味を封印したわけだが、何十本もあった釣り竿はいまでは 1本もないし、ゴルフクラブもゴルフウエアもすべて処分してしまった。

ただし、この 2~3年は沖縄に行った時だけゴルフをしている。9ホールのパブリックゴルフ場(par3ショートコース)を回るのだ。例えばこちらのゴルフ場などは、道具一式すべてレンタルして、ラウンドフィーもあわせて 2000円で回れる。気の置けない面々とランチを賭けて興じるゴルフは実に愉快である。

★パブリックゴルフうらそえ
→ http://www.pg-urasoe.com/?page_id=76

さて、昨日の続き。

経営者へのコーチングを仕事にする小沢善三郎(仮名)は、自らのゴルフの方向性が分かってきた。「100を切ろう」などとのんびりした目標設定はしたくない。かといって、全ホールでホールインワンを狙うというのもスコアメイク上は賢いと思えない。何が自分にふさわしいのか、いろいろ調べていくうちに「ビジョン 54」に出合った。

「ビジョン 54」とは、18ホールすべてでバーディをとって 18アンダーの 54で回ることを目標にするゴルフ理論をいう。

スウェーデンのピア・ニールソンらが提唱したゴルフ上達法で、アニカ・ソレンスタムを初め世界的トッププレーヤーを数多く育て、最近では宮里藍やヤニ・ツェンなども「ビジョン 54」の理論に心酔しているという。

「ビジョン 54」は、従来のゴルフ理論とは一線を画す斬新なものらしい。自分の限界を打ち破るために生まれたゴルフ上達メソッドで、幾つかの個性的な特長があるのだ。

・100ヤード以内を 1ショット 1パッドで決める。その練習に少なくとも全練習時間の半分を費やす
・ゴルフに 50の要素があるとしたら、スイングはその 50のうちの一つに過ぎないし、クラブ選びもそれと同様である。
・練習の量よりも質。本番のラウンドで経験するであろうあらゆることを想定して質の高い練習をする。たとえば、パター練習場にボールを数個持参してポンポン打つなど愚の骨頂。一個のボールだけで真剣に集中して入れに行く。

ビジョン 54関連の本を読み、サイトを調べた小沢。
「よし、これを日本で習おう」と決めた。レッスンコーチと練習ラウンドも申し込んだ。

ラウンドしてみて小沢が感じたことはメンタリティの重要さである。たとえば、グリップの握り方やスイングの仕方は反復練習すれば上達する。ボールに当てる技術も練習すれば上達する。だが、ゴルフというスポーツだけは練習場と本番が別の場所で行われる。しかも本番の方が練習場より過酷な状況でショットせねばならないことが多い。おまけにショットを打つとき、精神的に焦っていたり動揺や怒りで平常でないことが多い。ときには、走った勢いで心拍数が上がったまま打つこともある。そんなとき、スコアが大崩れする。それをマネジメントするのである。

小沢はコーチから「あなたにふさわしいルーティン(型)をもつように」と言われた。打つ前のルーティンを決め、そこで良い集中が生まれるようにトレーニングするのだ。それは練習場だけでなくどこででも練習できる。
また、ミスショットしたあとはそれを引きずらないためにタンポポの綿毛を吹き飛ばすイメージでそれを忘れる。

「ビジョン 54」は記録を付けることも重視する。合計何打で回ったかというスコア以外に、コースでの 1打ごとの結果を採点するように指導されるのだ。
たとえば、
フェアウェーキープ 1点
パーオン 1点
パー 1点
バーディ 2点
寄せワン 1点
という具合。一打一打のショットに集中するためにこうした採点を行うのだ。

私は小沢からこうした話を聞きながら「ビジョン 54」の本を読みたくなった。すべてのホールでバーディを狙う、夢があって尚かつ絶対不可能とは言えない挑戦目標がすばらしい。

それと同じようなビジョンが経営やビジネスでも作れそうな気がしたので「ビジョン 54の経営版を作る」という密かな Wish-List を手帳に書き加えた。

さて、肝心の小沢と A 社長とのラウンドがいつになるのかは聞いていない。だが、ラウンド結果は必ず知らせてくれることになっている。その結果が私も大いに気になる。なぜなら、家庭も仕事も犠牲にせず半年で 188というスコアが 100を切れるとすれば、私も習いたいからである。

★「ビジョン54」の本
→ http://www.vision54.com/vision54/pages/japan/books.jsp