★テーマ別★

勘と我慢

昨日は日帰りで大阪へ出張。K 社の経営計画発表会に参加した。初めての発表会ということだが、社長の方針発表も社員の個人目標発表も実に堂々として手慣れたもの。それもそのはずで、日ごろから講演やコンサルティングを仕事にする専門家集団だから。立場や仕事が人を作る、ということを感じた次第。

さて大阪といえば、明日から甲子園で高校野球大会が始まる。さらに来週からはプロ野球も開幕する予定で、ファンにはたまらない季節となった。

ストライク 3、バッターアウト。スリーアウトチェンジ、という今の野球のルールは、もともとのものではない。1876年にメジャーリーグ(ナショナルリーグ)が発足したときは、四球(フォアボール)ではなく、九球(ナインボール)でなければ出塁できなかった。打者が三つのストライクで三振アウトになるのに対し、九球ではあまりにも投手有利である。そこで 1880年に八球(エイトボール)に変更され、二年後には七球、その二年後に六球、さらに三年後に五球となり、1889年に四球に落ち着いた。九球が四球になるのに13年かかっているのだ。

ちなみに、六球になる以前は、メジャーリーグでは打者から投手に投球の高低をリクエストできることになっていた。だが、五球が導入された年からリクエストルールが廃止され、投手は完全に自分の意思で投球ができるようになった。

世界最多のホームラン 868本を打った王貞治選手は、ホームランを打つ秘訣を聞かれて「勘と我慢です」と答えている。

ホームランが打てるという勘が働くときは打てる、働かないときは打てない、だから勘が働くように自分の調子をもっていく。

もうひとつの「我慢」の方は、ボール球に手を出さないということらしい。ボール球を打てばホームランどころかヒットも打てないことを身体で知った王選手は、選球眼の良さでも定評があった。その結果どうなったか。選んだ四球の数は 2,500個である。ホームランの 3倍近い数の四球を選んでいる。表に出ない王選手の強みといえよう。

打ちたいという気持ちが強すぎると悪球に手を出す。その結果、凡打に打ち取られるだけでなく、打撃フォームまで崩してしまう。

ビジネスも悪球に手を出さず、好球必打でいきたい。そのためには、はやる気持ちをおさえて、勘と我慢が必要なのだろう。