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出雲大社と伊勢神宮

1月19日(土)は名古屋から列車を乗り継いで米子入り。この日、米子(鳥取県)のホテルには「魔法の質問」のマツダミヒロさん、「マンダラ」の松村寧雄先生、「がんばれ!社長」の武沢信行の三人による講演とトークセッションが行われた。鳥取、島根など山陰地方を中心に 100名近い方々が集まってくれた。遠くは札幌や東京、千葉、大阪などからもこのセミナーのために駆けつけてくれた。

余談だが、ある人が米子のことを「よねご」とか「まいご」とか言っていたが「よなご」が正しい。お間違いのないように。しかも所在地は鳥取県であって島根県ではない。(私も先週誤表記した)

この日のイベントは午後 1時の開演から午後 9時までビッチリのスケジュール。しかも、その後も解散とはならず、有志で米子の繁華街にくり出して松葉ガニと地酒をいただきながらの交流会まで付いていた。ひとたびドーパミンが出てしまうと疲れも飛ぶし、時間の感覚もなくなってしまうようだ。ホテルに戻って時計をみたら夜の 12時だった。

講師の三人はマンダラつながりである。米子で病院勤務をされている橋原喜代さんの企画によって実現したこのイベントは、Facebook を通して三人に個別にアプローチされた橋原さんの情熱で実現したもの。講師にとっても、三人揃っての企画は初めてのことで楽しい経験になった。

イベントの翌日は希望者で神話の国・出雲へ。マツダさんは仕事があって戻られたが、松村先生と私を含む 11名で出雲大社へむかう。事情通の提案で、出雲に向かう途中に美保神社(みほじんじゃ)に立ち寄ることにした。島根県松江市美保関町にある「美保神社」は、全国 3千余社ある「えびす社」の総本社である。

えびす様は商売の神様だが、全国の「えびす社」には、事代主神系と蛭子神系の二つがあり、美保神社は事代主神系の総本社。蛭子神系の方は兵庫県にある西宮神社が総本社である。

商売繁盛の神徳の他には、漁業・海運の神、田の虫除けの神としても信仰を集め、「鳴り物」の神様として楽器の奉納も多いそうだ。ここ美保神社の歴史は不詳だが、8世紀の古文書にすでに記載があることから、「少なくとも 1300年の歴史があります」と社務所の方が語っていた。商売繁盛のえびす様の総本社に参ったかぎりは今年の商売繁盛は間違いないだろう。

その後、出雲大社へ向かった。

移動の車中で松村先生から予期せぬ質問をされた。「武沢さん、伊勢神宮と出雲大社の違い、位置づけの違いは何ですか?」そうか、松村先生は仏教の専門家であって、神道ではない。当然私も質問に即答できなかったので「お調べします」と iPad mini を取り出した。

いろいろ調べてみたら、こんな具合だった。伊勢神宮は神社本庁の本宗(ほんそう)とされ、正式名称は「神宮」(じんぐう)である。地名は付かない。伊勢神宮には、太陽を神格化した天照大御神(あまてらす おおみかみ)をまつる皇大神宮(こうたいじんぐう 通称:内宮、ないくう)と、衣食住の守り神である豊受大御神をまつる豊受大神宮(とようけだいじんぐう 通称:外宮、げくう)の二つの正宮(しょうぐう)がある。

あるとき、天照大御神の孫で、天孫とも呼ばれる邇邇芸命(ににぎの みこと)が降臨し、天照大御神から三種の神器を授けられた。それがいわゆる「天孫降臨」(てんそん こうりん)である。

その際、三種の神器のひとつ「八咫鏡」(やたの かがみ)に、「吾が児、此の 宝鏡を視まさむこと、当に吾を視るがごとくすべし」として、天照大御神のご神霊が鏡にこめられた。この鏡は神武天皇に伝えられ、以後、代々の天皇のお側に置かれ、天皇自らが観察されてきたが、第 10代崇神天皇の代になって、大和笠縫邑(やまと かさぬいむら)に移され、それが今日、伊勢神宮にまつられている。
内宮の創建は紀元前 43年頃とされている。

一方、出雲大社は神代(かみよ)の代に創建されたとされるので、建物としては伊勢神宮より古い。出雲大社にまつられているのは大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)。大国主命(おおくにぬしのみこと)ともいう。
伊勢神宮が全体運、仕事運に御利益があるとされ、出雲大社は縁結びの神として知られる。10月の神無月(かんなづき)には、全国から八百万(やおよろず)の神々が出雲に集まって会議が開かれる。そこで、出雲ではこの月のことを神在月(かみありづき)と言い、出雲大社の敷地内には、神々が使うホテルもある。

都から見て、伊勢神宮は日の出を拝める位置に、出雲大社は日の入を拝める位置に作られ、天皇家のご先祖がまつられているのは伊勢神宮の方だと覚えよう。

では、気になる「天照大御神(あまてらす おおみかみ)」と「大国主命」(おおくにぬしのおおかみ)」の関係はどうなのだろう。

神話によれば、大国主命は国造りを行った神様として古事記に書かれており、国が完成すると天照大神の血筋である邇邇芸命(ににぎの みこと)に国を譲りわたし、その系譜が天皇家につながったと書かれている。国を譲った神となった大国主命は出雲に籠もった。大地の神という立場は国を譲った見返りの地位だったとも考えられている。

そのあたり、もう少し詳しくお知りになりたい方はこのホームページをご覧になるか、神話をお読みになると良いだろう。
→ http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1379013198