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三本の矢より四本の矢?

毛利元就(もうり もとなり)は、三人の息子の前で「一本の矢はこのようにたやすく折れてしまうが、三本の矢を束ねると、たやすく折る事など出来ない」とデモンストレーションした。そして父親はこう言い放った。
「もしお前達兄弟が、協力することをしなかったならば、毛利家は簡単に倒れるであろう。しかしこの三本の矢のように、兄弟三人が力を合わせれば、毛利家が倒れる事はない!」と。

幼い子供たちにとってこの日の出来事は人生に大きな影響を与えたに違いない。父の話を聞いた息子たちの名は長男・毛利隆元。彼は後になって輝元を生むが、その輝元が長州藩の藩祖になる。
次男は吉川元春。恐るべき猛将で、父・元就も「戦さでは私も元春に及ばない」と彼の武勇を称えた。
三男は小早川隆景。もっとも父によく似ていたとされる。温厚でありながら知略に長け、政治手腕は秀吉にも高く評価された傑物である。

三兄弟の結束が後の長州藩の誕生と発展につながり、それが幕末の薩長同盟から明治維新につながり、ひいては今日の自民党・安倍政権(安倍さんも旧・長州藩の山口県出身)につながっていくわけだから、三本の矢の教えは強し。

では、三本が強いのなら四本ではどうだろう。五本、六本の方がもっと強いのだろうか。

昔、数学で「三本足の椅子はガタつかないが、四本足の椅子はガタつく。その理由を説明せよ」というのがあったような気がする。当時も今も私は説明できないが、皮膚感覚で何となく理解できる。気になるのでホームページで調べてみたらこんな解説が載っていた。
→ http://okwave.jp/qa/q457810.html

幾何学においても四本足ではなく三本足でなきゃダメなのだ。

そこでひとつの仮説として、事業経営も三本柱が最強なのかもしれないと考えてみた。四本柱、五本柱・・と事業の柱を増やしたくなるのは分かるが、椅子の足でも多くなるとガタつくわけだから、中小企業が何本もの事業を抱えていてはうまくいくわけがない。

柱を増やす前に柱をもっと太くしよう。柱が細ってきたら新しいのを追加するのでなく、新しいのに差し替えよう。あくまで MAX 三本でいく。

ひょっとしたら、毛利元就はそうしたことも踏まえた上での ”三本の矢の教え” だったのかもしれない。