『100歳、ずっと必要とされる人』(日経 BP)で話題の福井福太郎さんは、1912年(明治45年)5月19日生まれ。慶應義塾大学の助手、毛皮を扱う「福井ファー」を開店後、49歳の時に親友の誘いに応じて望月証券(現・みずほ証券に吸収合併)に入社。同社の合併交渉などで活躍後、70歳から現在まで東京宝商会に勤務中。
49歳でサラリーマンデビュー、70で転職し 96歳で辞表を出すも受理されず、100歳になっても山手線のラッシュアワー通勤する。そんなすごい 100歳が存在すると聞いただけで元気をもらえる。
★『100歳、ずっと必要とされる人』
→ http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=3643
昔、インドのバラモン教では人生を四つに区切って生きることを教えた。
1)学生期(がくしょうき):学問し修行する時期
2)家住期(かじゅうき):学生期を終え、結婚して家庭を守りながら務めを果たす時期
3)林住期(りんじゅうき):家庭での務めを果たした後、家族を捨て、財産を捨てて林に住み、生きる目的を考える時期
4)遊行期(ゆぎょうき):真理を求め、乞食(こつじき)しながら全国を遊行し、ガンジス川にたどりつく時期
私は今、「家住期」を終えて「林住期」に移行中。すでに一部では「遊行期」にも突入しているが、福井福太郎さんはご自身の死生観や職業観についてこう語っておられる。
・・・僕は、元気な間は、人間はずっと働かなきゃいけないと思っているんです。だって、動物は、死ぬまで自分の力で食料を調達して生きていますよね。人間も動物の一種なんだから、生きるために、死ぬまで働かなきゃいけないものなんじゃないかな。たとえば象は、死期を感じると群れを離れていくそうですよ。でも、それまでは自分で食べ物を見つけながら生きている。猫も、死期が近づくと、姿を隠すとよく言われるよね。飼い猫は別だけど、野生の猫はそれまでは自分で生きている。だから、象や猫と同じように動物である人間だって、死ぬまで働くというのは、当然の行為なんじゃないかな。(日経ビジネス ONLINE より)
・・・
★日経ビジネス ONLINE
→ http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20130509/247769/
つまり、ずっと働くことは福井さんの「本能」の一部なのだ。本能だから無理がなく、それが自然なことなのだ。
また福井さんは長生きの秘訣を質問され、こう答えている。
「秘訣?秘訣なんてないよね。僕はたまたま 100歳まで働きながら生きてきたけれど、それは僕がえらいわけではないから。天から与えられた命というだけです。友人の誘いで始めた謡(うたい)が好きで、大きな声をしっかり出す。これは健康にいいのかもしれない。食べることも大好きで何でも食べる。マクドナルドを買ってきて軽く済ませることもしょっちゅうです。家でも外でも出していただいたものは何でも残さず食べる。これは親のしつけですね」
健康法については、毎日 7千から 8千歩は歩くようにしているという。会社に行くことが元気の源だし、週末も外に出るようにしているそうだ。新聞や本もよく読むし、「ハイジ」や「あしながおじさん」といった定番の童話も好んで読む。
死ぬことについて考えるとこわくなることもある。だけど、家族と笑いながら死ぬのが理想と福井さん。
でもそんなことよりも「毎日一生懸命生きなきゃ」と私たちの背中をポンと叩いてくれたように感じた。