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続・破天荒な「経営計画発表会」

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かつて、ジャック・ウエルチ氏がアメリの GE 社(General Electric)の会長だったころ、コーチングの勉強をしていたことがあるそうだ。社員教育は一方通行では良くない。インタラクション(双方向)の会話が必要であると、コーチングに目を付けたという。

昨日福井の人材派遣会社の A 社長がそれを知っていたとは思えないが、「経営計画発表会」の内容が極めてコーチング的だった。

まず式次第が個性的である。

・ビジョン、方針、今期目標の発表(社長、15分程度)
・個人発表(社員10人全員、各自5分程度)
・部門目標発表(3人の部門長、各自5分程度)
・キャッチボールタイム(約80分)
・ゲスト講演(50分)
・懇親会(90分)
合計330分(13時〜19時半の6時間半)

社長による経営ビジョンと今期計画の発表はわずか15分ほどで終わった。そのあと、社員ひとりひとりの個人目標発表があり、次いで部門長による部門目標の発表。ここまでで90分ほど要し、休憩に入った。そのあとキャッチボールタイムとして、インタラクションによるコーチングが行われた。

社長がふたたび登壇し、社員ひとりひとりに違う内容の問いかけをした。

「Y 君、あなたの部門は中小企業マーケットを伸ばすという方針だが、あなた個人はどんなことを意識して動く予定か聞かせてほしい」
「H 君、あなたの今期の営業目標は前年比4割アップと強気で素晴らしい。できればそれが本当に実現できるという根拠を聞かせてもらえ
ないか」
「U 部長、今期のわが社の二つの基本方針について、あなたが理解していることをあなたの言葉で聞かせてくれないか」

という具合である。

私はそのやりとりを聞いていて、25歳の社長がいったいいつのまに、これほど達者なコーチング技術をマスターしたのかと驚いた。
しかも社員は一人の例外もなく、ハキハキと回答している様子をみるかぎり、ふだんからこうした会議方法に慣れているのだと想像する。

この「キャッチボールタイム」は社長に対しても質問が出た。

社員 A:タブレットでの日報システムはいつ完成予定ですか?
社員 B:賞与の決め方についてのルールがあれば教えてください。
社員 C:来年以降の社員採用の予定を聞かせてください。
などである。それらにも社長が回答し、質問内容によっては他の幹部が回答した。

最後に社長は場内にいる全員に問いかけた。
「本日お集まりいただいている皆様、会社の運営方針に対して、あるいは社長や社員に対してご意見、ご提案、ご質問、苦情などお聞かせ
ください」と。この日、挙手する人はいなかったが、アンケートで質問や意見が言えるようになっていた。

懇親会の席でA社長から感想を求められた私は、「とにかく新鮮だった」としか答えることができなかったが、どのように新鮮だったか
をこのメルマガで書いたつもりである。

「これからもこんなやり方でやるのですか?」と私が聞くと、「武沢さんにもっと変だと思われる発表会にしたい。ちなみに来年はこんな
普通な懇親会ではなく、お祭り騒ぎのパーティにしたいです」とA社長。

このように、あえて他社の経営計画書を見ないし、他社の発表会にも行かないということも悪くない。

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