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AIDMA(アイドマ)の法則

先週木曜日号で、縦に長いホームページが増えていることに警告を発した。なぜならば、延々と文字を読んでくれるのは、その製品やサービスに関心をもってくれる人だけだ。始めてサイトを訪れたゲストに対しては、製品・サービスの特長や機能を簡潔に語ることが優先される。つまり、短い時間で興味関心を惹きつけることが先決なのだ。そのために与えられた時間はわずか数秒程度かも知れないのだ。

さて、「AIDMA(アイドマ)の法則」をおさらいしておこう。

・ Attention(注意)・・・お、これ何だろう!?

・ Interest(関心)・・・なんだか面白そうだなあ

・ Desire(欲求)・・・へぇ、こんなの欲しいなあ

・ Memorize(連想)・・・このように使ってみると価値がありそう
(自分が自分に売り込む段階)

・ Action(行動)・・・よし、買おう!

この5段階の頭文字をとって「AIDMA(アイドマ)の法則」と呼ばれている。

株式会社モエルの木戸社長の場合、自社のサービス「下請け脱出支援業」を全国の塗装工事店対象にアピールしたい。そこで次のような広告を過日の「がんばれ社長!」に掲載した。

営業マンなしでもできる!下請け工事店からの脱出必勝法
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その広告の結果、当日だけで387アクセスを集め41冊の冊子を販売した。この出来事が意味するものはなにか。

以前から木戸社長はホームページを開設して世間全体に自社のサービスをアピールしておられた。ところが思うようにアクセスが伸びず悩んでいたときにメルマガ広告を打とうと思いつく。数あるメルマガの中でも、経営者に直接アピールしたいので「がんばれ社長!」を選択した。

作者の武沢と相談して話し合ったテーマは、「いかに注意を惹く原稿にするか」だけである。効果的な広告原稿を何度も打ち合わせした。販売用の小冊子も武沢に郵送して読んでもらった。しかも広告掲載は、割引がある3回掲載を申込んだが、毎回原稿を変えるという念の入れようだ。

メルマガ広告のたった5行のなかで、いかに最初の「A」、つまりアテンション(注意)を集めるかに勝負をかけた。その成果は、読者のクリックという行為につながり、ホームページの387というアクセス数になってあらわれた。

最初の「A」を見事パスしたら、次の段階が待っている。それは、「I」つまりインタレスト(関心)を集めるのだ。それはホームページの最初の書き出しの数行である。株式会社モエルさんの場合、次のようになっている。

~もうこれであなたは、安い単価で振り回されることから開放される~

現場で仕事をしながらでも、広告費月7万円であなたは下請けから脱出できる

この3行のコピーは、必ずしも上手とは言えない。まだ焦点が広すぎて、ピントがぼけている。本来、モエルさんの顧客にはなりえない企業や個人も惹きつけてしまうし、本来の顧客ターゲットである塗装店を惹きつけるコピーになっていない。

問題はあるものの、「広告費月7万円で下請けから脱出したい」と思っている方々が原稿を読み進めてくれた。このホームページでモエルさんが期待しているゲストからの反応はただひとつ、それは小冊子を買っていただくことである。そこで1冊1,000円という少額に設定し、しかも返品返金保証まで付けた。この購入者は、モエルさんの有力な見込客リストになる。

387人のアクセス者のうち何人が最後までホームページを読んでくれたかは不明だが、41人の人たちが小冊子を申し込んだ。最初の「A」と次の「I」をクリアした人が41人に絞り込まれたのだ。

次に「D」、ディザイア(欲求)と「M」のメモライズ(連想)をかきたてる段階に進む。それは、この小冊子が果たすべき役割なのだ。事実、この冊子を読むと下請けから脱出したくなり、モエルのサービスを受けたくなるようになっている。これらの手順を踏んで最終的に「A」アクション(行動)につながる。

このようにして、「AIDMA(アイドマ)の法則」はメールマーケティングにも生きている。メルマガ五行広告などで初めて我社の存在を知った見込客が、実際の顧客になるまでの心理的変化と連動したマーケティングステップが必要なので、覚えておこう。