先週、上海へ行った。三日目の夜、同行者の「百式」田口さんがオススメという上海雑伎団のショーを見た。
「オォー、あり得ない!」、「なんだコレ!」、「スゲェ!」、感嘆詞のオンパレードで我々観客を魅了し、90分のステージは、あっという間に過ぎた。選り抜かれた若者が、常日ごろから自らの肉体を管理し、練習に次ぐ練習でワザの達人になる。そこまでやらなくても・・、と言わせるほどの大技を次々に成功させていく。しかも余裕の笑顔すら見せながら。
「すごかったねぇ、田口さん」
「でしょ」
そこで、ある小話。
テキサスから来たキャデラックに乗った二人が、コンサートに行く途中ニューヨーク市内で道に迷った。二人は車を止めて、あごヒゲの老人に尋ねた。
「カーネギーホールにはどうすれば行けますか?」
ヒゲの老人は答える。
「練習しな!(Practice!)」
(『達人のサイエンス』ジョン・レナード著 日本教文社刊 より)
何かを極め、達人になるためには練習以外に方法はないようだ。そこで日ごろをふり返ってみよう。あなたの日々の仕事は、何かの達人をめざした練習になっているだろうか。それとも、研修教育の時間や、自己啓発の時間だけが練習になっているのだろうか。それとも、練習の要素は全然ないのだろうか。やはり、仕事そのものが練習であり、少なくともその要素を含んでいることほど強みはない。
練習の大切さはわかった。次に、練習とは何かを考えてみよう。野球でノックを受けて守備の練習をする、素振りでバッティングの練習をする、というときのあの「練習」とは何か。
練習に対しては、ふたつの考え方があるように思う。一つは、何かの手段だ。
練習は試合でよいプレーをするための手段であり、その前に監督にアピールして試合で使ってもらうための手段でもある。つまり、練習に対して本番がある、という考え方だ。
練習に対するもう一つの考え方、それは練習そのものが目的であるという考え方だ。
素振りをし、ノックを受けることそのものの中で、さらに上を目指していくのだ。試合もあれば勝ち負けもあるが、どんな状況が起ころうとも練習することが好きであり、生活の一部でありメインでもあるとする考え方だ。
いずれにしろ、私たちにはたえざる練習が欠かせない。練習があってはじめて上達があり、上達があってはじめて人として組織としての成長があるはずだ。あなたの仕事と練習について再考してみよう。
上海雑技団 http://www4.airnet.ne.jp/tomo-san/travel/
99shanghai/tomo-san17shanghai31.htm
百式 http://www.100shiki.com
————————————————————
「月刊トークス」をご存知ですか? http://www.talksnet.co.jp/
ビジネス経験豊富な編集長の岡田さんが色々なビジネス・マネジメント書に目を通し、その中から毎月4冊の本を厳選。そのエッセンスを1枚のCDに収録して届けてくれるのが、「月刊トークス」です。
並のビジネスマンでは絶対にやらない(やれない?)毎月数十冊以上の本に目を通す岡田編集長が今月はどの本を選んだかを知るだけでも興味津々です。無料メルマガもありますので登録されたらいかがでしょうか?
CD「月刊トークス」を一年間申し込みたくなった場合は、「がんばれ社長!読者です」と記入すると、お好きなバックナンバーを1枚プレゼントしてくれるそうです。
http://www.talksnet.co.jp/