昨日・一昨日とつづけて京都の復興劇をご紹介している。今日もその続きを書く予定だったが、すこし脱線してみたい。
京都の観光客は年間で約 5,000万人だが、これはニューヨークを訪れる観光客と変わらない。これを当然と感じるか、それとも意外なことと思うか。→ http://e-comon.co.jp/pv.php?lid=3718
せっかく観光資源が豊かにあっても、人を呼びたいという熱い思いが現地になければ、リピーターは生まれない。CNN が選んだ観光客に不評な都市のランキングがある。その結果はこちら。⇒ http://www.cnn.co.jp/travel/35035712.html
読者の方から「○○県の観光客も多いはずですよ」というご指摘を受けた。調べてみたら千葉県や静岡県、埼玉県などもかなり上位に来ているようだ。また京都は昨日 5,000万人とお伝えしたが、京都府全域では 7,700万人になる。広島も同様に修正した。もう一度、都道府県別観光客ランキングを整理すると次のようになる。
1位:東京都(年間観光客 4.7億人)
2位:神奈川県( 〃 1.7億人)
3位:大阪府( 〃 1.6億人)
4位:愛知県( 〃 1.4億人)
5位:千葉県( 〃 1.4億人)
6位:兵庫県( 〃 1.3億人)
7位:静岡県( 〃 1.3億人)
8位:埼玉県( 〃 1.1億人)
9位:福岡県( 〃 1.0億人)
10位:長野県( 〃 8,500万人)
11位:栃木県( 〃 8,000万人)
12位:京都府( 〃 7,700万人)
13位:新潟県( 〃 7,100万人)
14位:宮城県( 〃 6,200万人)
15位:群馬謙( 〃 6,000万人)
16位:広島県( 〃 5,500万人)
17位:北海道( 〃 4,800万人)
18位:鹿児島県( 〃 4,700万人)
その他では、石川県 4,400万人、奈良県が 3,400万人、沖縄県は 600万人という結果だった。これは、Google 検索で「○○県観光客数」でヒットしたホームページのデータ(おおむね、各都道府県の観光局が公表しているもの)を使っており、年度の誤差が 2~3年含まれていることと、全都道府県を調べたわけではないことをお断りしておく。
観光客数を正確にカウントするための統一ルールがあるが、発表方法にはルールがないようだ。観光客の実人数と延べ人数を分けて公表している県がある一方で、延べ人数しか公表していない県もある。要するに発表方法がマチマチで大いに困った。さらには、国の観光庁が発表している統計値も「集計中」のまま未発表の県が 11府県もある。観光立国・日本を目指すうえでは、今後、公表方法の統一化をはかる必要があるろう。サーバーエラーのため PDF ファイルがダウンロードできない県も複数あった。
上記のランキング結果をみて、意外に思われる方も多いだろう。私は愛知に住んでいるが、愛知が京都の 2倍も観光客があるようには到底思えない。だが、発表値ではそのようになっている。その理由は、日帰りのビジネス目的客がついで名古屋城や熱田神宮に行ったとしてもそれが観光客とカウントされてしまうからだ。また、名古屋に住んでいる人が週末に名古屋港水族館に行っても、それが観光客にカウントされる。東京や大阪など人口が多いところほど観光客も多くなるというのはそうした事情があるからだ。
では、純然たる観光地はどこなのかを調べるもっとも良い方法はないものか。それは、ある。県外からの宿泊客が多い都道府県ということに限定してみれば、どこが観光に強いかが一目瞭然だろう。そこで、もう一度調べ直してみた結果がこちら。
<年間宿泊者数ランキング(観光目的、県外の宿泊客数)>
1位:千葉県(1,300万人)
2位:京都(1,087万人)
3位:長野県(940万人)
4位:静岡県(930万人)
5位:東京都(630万人)
6位:神奈川県(480万人)
7位:栃木県(440万人)
8位:沖縄県(430万人)
9位:群馬県(410万人)
10位:三重県(400万人)
11位:山梨県(400万人)
12位:北海道(360万人)
※出典:国土交通省 観光庁発表値資料(千葉と京都は未発表だったため、武沢が独自に調査)
→ http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/irikomi.html
千葉の方が京都より多いのは驚きだが、こちらのランキングの方があきらかにイメージしていたものに近い。
脱線はここまで。明日はもとにもどる。