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中国視察レポート

一昨日の土曜日、中国視察から戻りました。今回は、音楽教室関係者とランチ弁当業者の方をお連れして、江蘇省常州市と上海市を訪問しました。
2泊3日の行程は、次の通り。

初日(9/5 木曜日)午後1時上海着 昼食後 午後4時 常州市着
午後5時、市内視察
午後6時半 常州市政府関係者と夕食会
午後8時半 解散、市内散策
午前2時半 就寝
この日は、「がんばれ社長!」発行のために午
前4時起で本当は眠いはず。でも夜更かしした。

二日目(9/6 金曜日)午前8時半 二班に分かれて民間企業視察
いや、すごい会社2社の経営者とお会いできてラッキーだった。
正午   昼食会
午後1時半 科学技術交流局、生産力促進センターの方とミーティング
午後4時  常州市発
午後6時半 上海市着 ホテルチェックイン
午後7時~ 夕食と現地ビジネスパースンとの懇親会
午前3時  就寝

三日目(9/7 土曜日)午前9時 上海市内観光と民間企業見学
午後4時  上海空港発
機内では食事にも気づかず眠りました。
午後7時半 日本着

印象的な出来事ベスト3+番外

1位:常州市政府スタッフの発言
「いま、最も儲けている事業は、飲食や教室のようなサービス産業である。そうした産業の市内大手企業では、日本の経営者と何かの提携を望んでいる。ところがビザ発給の問題などがあって、気軽に日本に渡ることができない。かなりの有力企業でも、日本側からアプローチしてくるのを待つケースが多く、日本の中小企業にとっては、ものすごくチャンスである。常州市は人口が300万人を越えるが、日本人は150人ほどしか定住しておらず、日本人向けのレストランは4軒、スナックは1軒しかない状態だ。いかにチャンスかおわかり頂けるのでは。」

2位:驚異の成長、驚異の謙虚
常州市で9年前に創業した『麗化快餐』という弁当ベンチャー企業の創業者・蒋さんは今年40才。ご自分で会社を興す前は、お米関係の国営企業に勤務していたとか。お金持ちになりたくて事業を興し、かえってお金に苦労した。だが、努力が実り、今では国内に40店舗、従業員1,700人を越える中堅企業に成長。成功の秘訣を尋ねると、「特別なことは何もなく、ただ早くはじめたから有名になっただけ。」とものすごく控えめな発言。そう言えば、終始一貫して伏し目がちで照れ気味にお話しされる様子は、本当に謙虚そのものでした。最高級のランチという20元(300円)のお弁当を頂戴しましたが、味・ボリュームとも申し分のないものでした。

3位:餃子といえば『大娘』
創業6年にして25億円企業の餃子レストランを作り上げた常州本社の『大娘』。あの上海最大の繁華街「南京路」にも出店し、今は71店舗の直営店を要す。高成長はとどまるところを知らず、2002年度は72%成長で推移しているといいます。副社長の林さんにお会いし、インタビューさせて頂きましたが、成功の秘訣をお聞きしたところ、意外な答えが返ってきてビックリしました。それは、「立地」だというのです。ちなにみ2位が値段、3位が製品品質という順番でした。日本では、「立地」を一位にあげる飲食小売り企業が少なくありませんが、『大娘』の成功は、精密な立地調査なくしてはありえないほどだそうです。晴れと雨、平日と週末、午前と午後と夜、すべてにわたっての交通量を調査分析し、基準を超えるところにだけ出店されるそうで、大ざっぱな出店をしているライバル企業を尻目に高成長を維持しています。また中国では、有名なレストランの本店・支店の間だけでも、ガク然とするほど味の差があることが多く、『麗化快餐』や『大娘』のように標準化した味と、標準化した教育・オペレーションをウリモノにする企業は、あっという間に差別化ができるようです。

番外編:ビジネスは夜に行われる
上海の圧倒的パワーの源は、若者起業家や経済人が牽引しているためかもしれません。しかも彼らのコミュニケーション    はもっぱら夜の社交場で。
Rさんのご紹介で上海でも一流といわれる社交場をご案内いただきましたが、皆さんドレスアップして本当にオシャレで    した。
ごく普通のうら若き女性が3社の企業オーナーであったり、地味な顔した中年紳士が、上海でも著名な不動産会社の社長    だったり。そして、大声で元気にさわぐミドルが、上海市内で飲食店許可を出す決定権者だったりと。
そのフロアの上では、オカマのプライベートパーティが大盛り上がりだったり。ちょっぴり、ニューヨーク的な雰囲気が    そこにありました。

同行された方のレポートも頂戴していますのでご紹介しましょう。まずは、音楽教室を展開される匿名希望のMさんです。

中国に関する感想&視察に対する感想 ~これから旅立つ皆様へ~

今回の視察では、昼間は役所の方々と施設巡り&対談、夜は皆さんと街を歩き回り中国の裏表を覗いた充実した3日間でした。

初日は半日ほど移動に時間をとられましたが予定していた施設を見学することができました。その後、まず今回御協力いただく常州市政府の方々とお食事をし、その後、夜の街を散策。

次の日は二班に別れ、希望を出しておいた常州の各施設を訪問し、午後から上海へ。3日目は自由行動でそれぞれ上海の町並みを楽しんできました。

ある程度の予想はしていましたが上海の歓楽街は想像をはるかに上回るレベルの高さで驚きました。また、常州の町並みも居住地区としては申し分なく、日本で言うと池袋のようなところです。

その街で生活している人々の物価~食事や娯楽など~やファッションは、その土地の文化や経済を顕著に表しているといえるでしょう。

実際に自ら肌で感じる情報はいままで話で聞いていたものとは大きく違い、中国に対する認識が大分変わったように思います。興味がお有りの方は一度行かれると良いのではないでしょうか。

言葉の問題も通訳の方に同行していただけるため、あまり問題になりませんでした。しかし単独で行動する場合には、英語が通じない場合もあるので若干中国語を話せるようにしておくと、より充実した視察が可能かと思います。

ただ、実際にビジネスを始めるにはとても3日間では情報を集めることはできませんし、準備もままなりません。今回視察をして新たに訪問を希望したい施設もでてきました。今後も計画を練り、何度も足を運ぶ必要があるでしょう。

あと、携帯電話は必携です。

最後にこのような素晴らしい企画に参加させていただき、武沢さんには心から感謝しております。また今回御協力いただいた常州市、上海市の皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。

Mさん、ありがとう。彼の音楽と中国への好奇心は脱帽もので、いつでもどこでも、彼の口からはその二つの話題しか聞かれないほどでした。

あとお一人ご紹介します。ランチ弁当製造配達をされる有限会社おおしまの大島社長(昨日、52才になられたばかり)のレポートです。

初めての海外旅行、日本を出たことのない私にとって今回の視察旅行は不安と好奇心が入り乱れ、複雑な思いを抱く中での旅立ち。わずか2時間の空の旅とはいえ、中国の陸地を空から眺めながら異国の地に下りようとしている中、その眼下に広がる海の色、建物の形、又その立ち並ぶ景色、日本と違う光景を感じ、いよいよ来たかなとの想い。
武沢氏、M氏とともに新しい上海空港に降り立ち、我々中国視察を受け入れて下さる代表である、史氏と挨拶を済ませ、一路常州まで車での移動。約3時間の高速道路、上海市近くでの車両の多さに驚きを感じながら又トラック、バスに日本の昭和30年代、40年代をも感じ、その乗っている人の様子に昔を思い浮かべ、やがて上海市内を通り抜け、郊外の田園風景を眺め、今までテレビでも見たことのない中国特有の住宅の立ち並ぶ車窓の景色に釘ずけ。やがて高速道路を下り、常州市内に入る。丁度帰宅途中の時間帯に合ったのか人の多さにびっくり、自転車、オートバイ、ボンネットのトラック、バス。平気で道を横切る歩行者、堂々とみちの真ん中を走る自転車、オートバイ、対抗車線を平気で走ってくる車、交通道徳、規律のない状況にびっくり、大陸的なおおらかな感覚なのか日本人では考えられない状況にたまげた。車窓から遠くに目をやれば、あたり一面建築ラッシュ、5階建て、6階建ての建物、おそらくアパートだろうと思われる建物が右に左に建築中、さすがに道路は舗装され砂ほこりの舞うような状態ではなくきれいに整備されいる。段々と街の中心に入ってくるに従い商店が立ち並び、建物も高層になり人もさらに増えてくる。やがて街の中心の我々の泊まるホテルに到着、26階建てのすばらしいホテル、チェックインを済ませ部屋に入り、一時をくつろぐとやっと中国に着たとの実感が湧いてきた。近くの市の施設を案内いただき、歓迎晩餐会。市科学技術局の方々(外国企業の招致活動に携わる)8名との食事にご招待いただき杯を交わす。やがてお開きとなりわれら3名は武沢氏が、かつて来たという“良いとこ巡り”に同行するべく、夜のネオンに消える。

翌日は二手に分かれて企業訪問、すばらしい企業をご紹介され、成功の秘訣、何に苦労されているのかなど質問、又商品を見せていただき食品の味に日本とどう違いがあるのかを比較する。日本人として食事をするのに抵抗はなく感じ、日本の味も通用するとの思いを抱きました。この広い中国の土地に、今正にわれわれの求めるビジネスがある。日本の20年前を振り返り、何でも仕掛けるチャンスがある。日本の各企業が培った力を出し、日本国内で求めるものの何十倍もの結果が得られるだろうと思う。たった2日の旅行ですが、中国の土壌と中国人の勢いの中に入ってみて、今までにない、日本国内でしかいなかった自分が、初めて国外に出て違いを感じ、感動の覚えた旅でした。

大島社長、ありがとうございました。遠い異国の常州で炸裂した、大島さんの歌声、「およげたいやきくん」は、現地の彼ら・彼女らのドギモを抜いたに違いありませんね。

顧問先の一社からは、「こんなソフトウエアを開発したのだが、中国関係者の評価を聞きたい」としてサンプル製品を持参し、預けて参りました。

拠点となるようなキーマン一人と友人になることが出来れば、中国はグッと身近な存在になるでしょう。私にとっては、それが常州市の史女史であり、彼女の日中合作にかける献身的なご尽力のおかげで、今回のツアーを行うことができました。また、きめ細かい旅行手配をしていただいた大阪のトラベル・アイ(西島社長)さんにも、深く感謝申し上げます。

最後に予告
常州市政府の史さんをはじめ、日中合作のキーマン10名が、勢揃いで日本にこの秋、来られます。「中国ビジネス研究会(仮称)」と題して、11月6日(水)、名古屋商工会議所にて午後2時から4時半までセミナーを行います。希望者は6時までの時間、個別質疑応答会も開催。費用は無料。先着100名だそうで、「がんばれ社長枠」として30名あります。正式募集開始は9月下旬になりますが、まずは日程確保と仮予約をお早めにどうぞ。武沢も参加します。

仮予約は、take@e-comon.co.jp まで会社名、参加者名、役職、業種、住所、連絡先メールアドレスをご記入下さい。