すくなくとも、会社の数だけ問題がある。何一つ問題がない会社など世の中に存在しない。だが、ドラッカーが言うように、「繰り返し起こる混乱は、ずさんさと怠慢の兆候である。」(プロフェッショナルの条件)
ある建設会社では、金融機関に提出する書類作成だけのために、50歳の取締役の半月分の時間が取られていた。時には徹夜になることもある。それだけではない。その秘書やアルバイト、あるいは現場を振り回すコストもカウントすると、さらに経費はふくらむ。
『経営戦略室室長』、名刺の肩書きは美しい。だが業務の実態はそれに伴っていなかった。いや、混乱の極みにあった、といってよい。「実態把握と未来予測」という作業そのものは非生産的なものであるにも関わらず、なぜそこまでの時間をかけざるを得ないのか。
銀行からの要望が多すぎる、という相手方の問題もある。だが、主たる原因は、社内にある。収益の実態把握をするためのシステムが不在であり、この取締役は、各支店の管理責任者との電話・FAX・メールのやりとりに忙殺されていたのだ。
どのようにしたら、この混乱が繰り返し起こらないようになるか、という視点が大切である。そのためには、目的の目的を追求していかねばならない。
短いが以上。
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オヨシナヨ!中国なんて・・・、と言わせておこう
さあ、今から中国へ行きます。9/5(木)、午前9:55名古屋発の便で上海に入り、その後、常州市へ移動。現地企業を視察、中国マーケットの現状に詳しい専門家とミーティングを行います。
今回のツアーには、音楽教室を経営される方や、弁当宅配事業をされる方なども同行し、現地市場の現状や、未来の可能性を検討しに行かれます。私も日本のコンサルティングビジネスに従事する者として、同様に可能性を調査します。読者の皆さんの中には、すでに中国と密接な関わりがある方や、強い関心を持っておられる方もたくさんおられると思います。中国との関係の持ち方には、様々なケースがあるでしょう。たとえば、
1.中国国内に生産拠点や調達拠点を設けることで人件費・原材料のコストダウンをはかる。
2.急成長する民間企業、膨張する高所得層に対する有形無形のサービス関連事業を行う。
3.なだれをうって進出する日本人を対象にしたサービス事業を行う。
などの可能性があり、特に最近多いのは2と3だと聞きました。
「およしなよ!中国ビジネスは危ないよ。いっぱいダマされた人間を知ってるんだから。」と何十人、いや何百人から聞かされてきました。そうした事実もたしかに一面の真理でしょう。
市場経済の歴史が浅く、法的にもノウハウ的にも未成熟であり、リスキーな要素はまだ残されています。反面、成功している日本の中小企業もあります。
「中国進出は素晴らしいし、リスクも小さく、魅力がいっぱいだよ」という声がたくさん聞こえてくるころには、本当の妙味はなくなっているでしょうね。それもこれも含めて、肌で調べてきます。明日の金曜日号「ウィークリー雑感」はお休みさせていただきます。