Rewrite:2014年3月26日(水)
私たちは、時間の使い方に革命を起こしたいと思いつつ、それができないまま時間だけが過酷に通り過ぎていくことを実感している。経営も人生も出来事の連続体である。そうした出来事もカテゴリーに分けるとすれば、次の四つが分かりやすい。
1.緊急度(高い)+重要度(高い)
商談、資金繰り、締切仕事、クレーム処理、災害、病気治療、事故処理などのアクシデント対策、など
2.緊急度(低い)+重要度(高い)
事業計画書作り、人材確保と育成、製品開発、新事業参入、後継者育成、クレーム再発防止策、新しい仕組み作り、読書、セミナー参加、技能修得、人生と経営の戦略策定、ストレスの解放や休養、健康維持、家族やパートナーとの対話など
3.緊急度(高い)+重要度(低い)
多くの雑用、多くの会議、多くの組合活動や異業種交流会、しぶしぶ引き受けた世話人、突然の来客と電話、多くの書類作成とそれを読むこと、接待の飲食・ゴルフ、など
4.緊急度(低い)+重要度(低い)
長すぎる世間話、テレビの見過ぎ、過度のストレス発散、無駄なメール、無駄なネットサーフィンなど
この表をもとに日常をふり返ると、次のことに気づく人も少なくないはずだ。私たちの日常の大半もしくは全てが「1」「3」「4」に費やされている。明日をつくり出すものは「2」の領域である。にもかかわらず、ほとんど時間が「2」には割かれていない。
何故、そうなるのか?次の三つが考えられる。
一つめは、習慣の問題だ。
あなたは他人から必要とされているのだ。あなたという「人」や「能力」が周囲から求められ、その期待に直接応えようとしている限り、永久に減ることがないのが「1」と「3」の領域である。
二つめは、知識・技術の不足だ。
「2」の領域に取り組みたいのは山々だが、どのように進めてよいか判らない。それで後回しにしていることがある。また、「ノー」といえない社長も多い。そんなときには、手帳の予定欄には、他人とのアポイントだけでなく自分がやる仕事も書き込んで自分とのアポも入れよう。部下やパートナーへの権限委譲もすすめ、相談されるのでなく報告を受ける立場に変わろう。
三つめは、情熱不足、目標不足である。
現状を否定し、新たな成長の芽を植えつけていく熱意を持っていることが「2」への取り組みを可能にする。
経営者にとっての「時間革命」とは「2」に取り組むための挑戦でもある。しかも、その「2」を、日常業務にできるか否かが死活問題となっているのだ。そのように考えると努力の方向が見えてくるのではなかろうか。