初投稿2001年12月12日、Rewrite:2014年4月4日(金)
あなたのビジネス経験において、「スーパーボス」と呼べるような優れた上司と巡り会ったことがあるだろうか。一流のボスであり、会うのが楽しみで、あなたを高いレベルに引き上げてくれるリーダーだ。
また、あなたは、「一流の部下」と呼べるような部下と巡り会ったことがあるだろうか。
その部下はあなたの部下というより同志であり、あなたの負担を軽くするばかりでなく、あなた自身を一段高いレベルに押し上げてくれる存在だ。
こうした「スーパーボス」と「一流の部下」のスリリングな関係を物語にしたのが『マックス・メモ』(きこ書房)で、なかなかこれが面白い。
残念ながらこの本は絶版だが、同じ著者による同じ主旨の本が『仕事は楽しいかね?』である。
物語の冒頭に、スーパーボスと一流の部下との関係を次のように述べている。
1.才能が二乗される職場にすることは可能である。スーパーボスと一流の部下が職場に求めるものは同じだからである。
◎自由・・・管理がない、平凡でない、愚か者がいない
◎変化
◎チャンス
2.スーパーボスはただの部下を雇うのではなく、同志を獲得する。
3.一流の人材は職をもつのではなく、才能をもつ。
彼が一度求人市場に出ていけば(出ていくとしても一度だけだ)、やがてその才能は見抜かれ、求められ、獲得される。
4.スーパーボスと一流の部下は、典型的な求職プロセスを逆転させることが多い。
部下をハンティングするのではなく、ボスをハンティングするのである。そのプロセスは「求人市場」というよりは、「逸材探し」に似ている。
5.スーパーボスは、部下に辞めようなどと思わせない特別な職場環境を築くことが多いが、そうでないボスは部下が転職せざるを得ない状況に追い込み、解雇という「隠し技」の達人になることが多い。
6.スーパーボスと一流の部下との「同盟」は、才能の結びつきであり、生涯切れることのない絆が生まれることも多い。
スーパーボスは、最高の人が働くにふさわしい最高の場所を用意する。スーパーボスは、優秀な人材を世界中から探し集め、ドリームチームを作り上げる。
それにひきかえ並のボスは、「ウォークマン」の寄せ集めでしかチームを作ろうとしない。ウォークマンとは、ドラフトで指名されることもスカウトされることもなくやってきて試験を受けるスポーツ選手のことをいう。なぜウォークマンしか集まらないか、それは、ボスが並だからだ。
一流の部下を獲得するのに必要なのは待遇ではない。それは後からついてくる結果に過ぎない。まっさきに提供すべきは、ビジョンと仕事内容、それに職場の面白さだ。
スーパーボスはきっとこう語って逸材を説得するだろう。
「給料は弾めない、それにオフィスもちっぽけだ。だが、私が描いているビジョンはこうだ。・・・そして、君に期待していることは、~なんだ」と。