●中国経済の先行きを悲観した投資家の中国株売りが止まらない。今年に入っても一段と下げが加速している。
昨日、中国株の上海総合指数は2756ポイントと3年来安値を更新した。
これは2020年のコロナショック時と並ぶ株価水準であり、日経平均株価が2020年から2倍以上になったのとは対照的である。
●香港ハンセン指数も14960ポイントとなり、2005年以来の安値となった。下げを先導しているのは美団やテンセント、アリババといったハイテク株だが、電気自動車や太陽光発電などの成長分野での下落も目立つ。
●中国政府による新たな景気刺激策が発表されないことや、株式市場を下支えするような政策もないことから、中国人投資家が総悲観してしまっている。
●その一方で、日本株は新NISAの影響もあって今年も絶好調。中国人投資家は中国株に見切りをつけ、日本株ETFを爆買いしはじめた。
チャイナAMC野村日経225ETFの取引量は、1月10日だけで75億円以上に達した。これは過去平均の10倍に相当する過熱ぶりで、一時取引が中止される事態までおきた。
●そうした中、世界最大の資産運用会社アメリカのブラックロックも中国市場に見切りをつけた。上海に保有する自社ビルを買い値の3割引きで売りに出しているのだ。
しかし、冷え切った中国不動産市場にあっては買い手が見つかっていない模様。上海のオフィス賃料は過去10年間で最低水準だが、今後さらに低下する可能性がある。
●中国依存度の高かった日本企業はまきぞえを喰っているが、
これを機会に中国戦略を見直す企業も増えている。
どうする中国、どうなる中国、いろんな意味で目が離せない。