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「半導体戦争」を読んでます

「半導体戦争」を読んでます

●「まぁ一杯やれよ」
「日本酒か~。親父、ありがとう!」
「これは山形の銘酒で『くどき上手』っていうんだ。軟かいネーミングとは裏腹に味のほうは超辛口だから、料理のじゃまをしない。特に魚とよくあうんだ」
「へぇ。(チビと口をつけ)、たしかに淡麗な口当たりだね」
「だろ、刺身や塩辛によくあうから試してみろよ」

●子どもが成人し、酒場のカウンターで親子で酒を飲む。
そんな願いをずっと持っていたが、子どもは大人になったが、全員酒を飲まない。飲めなくはないらしいが、飲まないようにしているようだ。だから食事を一緒にする機会はあるが、私ひとりがチビチビやることになる。

●親子で酒を飲むという願いは叶わなかったが、それに近い願望は叶った。それは親子で読書談義をすることだ。
2016年からほぼ毎朝、Kindleでの輪読時間を設けている。無論、読むだけでなく、感想や批評を言い合って読書談義になっていく。

●もともとあまり本好きではなかった次男だが、Kindle輪読会のおかげで本を自分で買って読むようになった。今月もぶ厚い本を持ち歩いているので、タイトルを聞いたら
『半導体戦争』だという。
「半導体」という言葉を聞かない日はないので、ネットで検索したらこの本に出会ったのだという。

●半導体産業について親子で話すのは、酒を飲みながら人生を語るのと大差ない。
『半導体戦争』の目次をみたら面白そうだったので私もKindle版を購入した。半導体業界の勃興から今日までのドラマを実名で解き明かすノンフィクション作品。大いに得られるものがあった。

●日本がかつて世界の半導体市場の50%以上を支配していた時代があったことが次男にとっては驚きらしい。NEC、東芝、日立、富士通、三菱などの総合電機メーカーが世界の半導体市場を席巻していた時期があったなんて想像もつかないようだ。しかし戦略と政治の力によって台湾、韓国、北米のメーカーに敗れていった日本。

●幸い、いまの日本は半導体メーカーとしては差をつけられたが、装置メーカーや材料、部品製造の分野においては確固たる地位を築いている。それもあって日米が半導体開発で協力することが先日報じられたばかりだから、悲観することはない。

●「半導体は産業の米」という人がいるが、DXやAI、自動運転などテクノロジー社会にあって半導体は、石油以上の戦略的資源だといわれる。その半導体業界を歴史的、地政学的に理解出来る『半導体戦争』は一読に値する本だろう。ぶ厚い本だが数日で読み終えた。

●次男は今、薄めの本を読んでいる。なんの本かは聞いていないが、最近よくニュースで見聞きするテーマらしい。読み終えたころ、タイトルと感想を聞いてみるつもりだ。

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