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チームプレイは誰のため

チームプレイは誰のため

●「よっしゃ、キレイや」「OK。これでいい」「う~ん、歯茎が腫れてるなー」「うまくいった」

私が通っている歯医者はよく独りごとをいう。患者に言っているのかもしれないが、声の大きさからしてあれは作業中の独りごとだろう
だから私も黙っている。

●歯の施術は医師しか見えていない。医師以外は何がどうなっているのか判らない世界だ。だからこそ、患者や周囲のスタッフに状況を説明し、医師・患者・スタッフ全員で患者の歯を良くするために戦おうというメッセージなのだと思う。医療はチームプレイである。

●医療に限らず、多くの仕事はチームプレイである。
先日、ある会社の若手社員が困り顔で私にこう愚痴をこぼした。

「お前はもっとチームプレイを意識しなさいと上司からいつも言われます」と彼。

「上司には日報も週報も提出しているのでホウレンソウは足りているはずですが、何となく社内で浮いている感じはします。部活をしてこなかったので、チームプレイといわれてもピンときません」

私は「上司だけでなくチームメンバーとのコミュニケーションを意識したらどう」と申し上げた。

●仕事上手はホウレンソウ上手というように、周囲のメンバーに対して自分の仕事のことを話したり、相手のことを聞いたりしてコミュニケーションのパイプ詰まりを取りのぞいておけば意思疎通はうまくいく。

●WBCの大谷選手やダルビッシュ選手、ヌートバー選手などメジャーで鍛えられた選手ほどベンチ内で周囲とよく話している。

「ホウレンソウ」(報告・連絡・相談)と聞くと、上司と部下の関係を想像しがちだが、メンバー同士の「ホウレンソウ」もとても大事なのだ。

●私がそう言うと彼は首をかしげながらこう言った。

「一番年下なので周囲に遠慮があって・・・」

そんなときは私の歯医者さんのように独り言でもいいから声に出していると周囲が反応してくれるようになるはずだ。

●ここまで書き進めてきて「よし、こんな感じやな」と今、独りごとを言ってみた。

すると意外なことに気づいた。
「よし、こんな感じやな」と声に出したことによって、心のなかにいるもうひとりの自分が「よっしゃ!」という気になれたのだ。

●そうか、わかったぞ!
歯医者の独りごとはチームプレイのためでもあるが、最大の目的は自分自身へのホウレンソウのためなのだということが。
時には自分を励まし、時には自分をねぎらう。それによってやる気と元気がでる。
あなたも一度、仕事中に独りごとを言ってみてほしい。自分自身のために。

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