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岡本太郎展覧会にて

岡本太郎展覧会にて

●「自分の中にどうしても譲れないものがある。それを守ろうとするから弱くなる。そんなもの、ぶち壊してしまえ!」(岡本太郎)

名古屋の「岡本太郎展覧会」で見つけた言葉です。

●こだわりやプライドというものは大切である反面、足かせにもなると説いた岡本らしい言葉です。
土曜日のせいもありますが、かなりの混雑ぶりで当日券売場では15分並びました。

岡本が96年に世を去って27年。それでいて今なお多くの人を惹きつける彼の魅力はどこにあるのでしょうか。私の書棚にも岡本の画集や著作が何冊もありますが、今なお彼自身が「太陽の塔」のような存在に感じられます。

●この展覧会は昨年、大阪・東京で、そしていまは名古屋で開催中です。愛知県美術館で3月14日までなので、興味がある人は是非ご覧になってください。
自分の作品を売らなかった岡本太郎。作品を売るかわりに展覧会をひらいての入場料収入と記念グッズの販売に力をいれました。また、公共施設に芸術作品を残し、芸術の大衆化に尽力した芸術家です。

●作品だけでなく、岡本太郎の言葉も独特です。

「真の芸術とは否応なしに、ぐんぐんと迫って、こちらを圧倒してくるようなものであり、一種の不快感を伴うものでもある」

「芸術は美しくあってはならない。つまり”うまい絵”、”美しい絵”、”快い絵”は芸術ではない。芸術はいやったらしくなければならない」

●事実、岡本の作品はいやったらしく、不快感を伴うものです。
そして同時に、なにか惹きつけられるものがある。内にあるパッションがこちらに伝わってくるのです。

この言葉も至言です。

「若さというのは、その人の青春に対する決意できまります。いつも自分自身を脱皮し、固定しない人こそ、つねに青春をたもっているのです。大きく歴史的に見れば、若い新しい世代が、古い時代をのり越えていくことはたしかですが、個々のばあいは、かならずしもそのとおりには当てはめられません。くれぐれも肝に銘じてほしいのは、年功が無意味であると同じように、また、たんに年齢的な若さも、決して特権ではないということです」

●展覧会の入口でイヤホンガイドを申し込みました。阿部サダヲが音声ガイドをつとめていたのですが、これがまたよい。岡本太郎の口調を真似しながら解説しているため、岡本太郎自らが作品のガイドをしてくれているようで楽しめました。展覧会に行かれる方はぜひイヤホンガイドもあわせてどうぞ。

★岡本太郎展覧会
 → https://taro2022.jp/about/