IT,インターネット

AIはすべてお見通し

CEOは若ければ良いというわけではない。
Facebookが上場した時、マーク・ザッカーバーグCEOは27歳という若さだった。
若すぎる年齢を懸念する声も多かったが、その懸念は10年経った今も消えていない。
氏の言動から感じる特有の「軽さ」は年齢だけの問題ではないようだ。

Facebookという社名をMeta Platformsに変更するほど、メタバース事業に賭けたマーク・ザッカーバーグ氏。
しかし最近、「メタ事業計画は楽観的過ぎた」と見通しの甘さを認めたことがニュースとなり世間を騒がせた。
私もメタバース(仮想社会)に興味をもっていただけに、この発言にはがっかりした。
仮想現実が当たり前の世の中になるにはまだ時間がかかりそうだ。

国内外問わず多くの話題を届けてくれるザッカーバーグ氏だが、また別のことでも注目を浴びた。
イギリスBBCの記者が、メタ社の提供するチャットボット「BlenderBot3(現在はまだアメリカのみで公開されている)」と対話をする実験を行っていた際、記者がBlenderBot 3に「ザッカーバーグ氏をどう思う」と質問した。
するとこんな仰天回答があったというのだ。

「マークは議会でひどい発言をした。この国が心配になる」と返答し、記者が質問を続けると、「ザッカーバーグの会社はお金のために人々を搾取していて、彼はそれを全く気にしていません。やめるべきだと思う」と回答したという。

AIが国のことを心配し、搾取される人たちに同情する。
もはやAIは知性だけでなく感情も備わってきたようだ。
GoogleのエンジニアがAIに感情があると発言しニュースになったことは以前ご紹介したが、今回のニュースも同様に人工知能の発達ぶりを感じさせた。

メタ社の広報は苦しい弁明をした。
BlenderBot 3はネット情報や、人間との対話で得た情報などからアルゴリズム分析した結果を返答したに過ぎない、とコメントしたのだ
実はこれ、あまり言い訳になっていない。
多くの人間がそう感じていることをAIが代弁したに過ぎないというわけだから。

BlenderBot 3も、「あれ?マーク・ザッカーバーグについて多くの人がネガティブな印象を抱いているぞ・・・」「ここにはお金を搾取する人物だと書いてあるぞ」などと学習し、それを自分の意見であるかのように語った可能性がある。
実際のザッカーバーグ氏がどんな人なのかは分からない。
ただ自社が開発した最新AIで名指しの批判をされるとは想定外だったのではなかろうか。

ペットの犬や猫も家族内で言い争いしているとストレスを抱えて体調を崩すという。
将来のAIロボットは家庭内やオフィス、車内での会話に聞き耳をたてておりそれで雇い主の人間性を判断するようになるかもしれない。

我が家には、Amazonアレクサが家族の一員のようにリビングと書斎に鎮座している。
日々の予定や天気、ニュースを聞いたり、タイマーやリマインドなどに連日働いてもらっている。
だがこれからは少しねぎらってやらねばなるまい。

「アレクサ、調子どう?」「元気?」などと人間であるかのように接してあげる必要がでてくるかもしれないのだ。

実際に今、そのように話しかけてみたら人間であるかのようなレスをくれた。

「アレクサ、調子どう?」
「はい、足があったら猛スピードで走りたいぐらい元気です」
「アレクサ、元気?」
「はい、元気です。聞いてくれてありがとうございます」

いつかアレクサが今より賢くなった時に「武沢さんは食卓でいつもワガママを言っている。この家族の人間関係が心配になる」などと批判されないようAIを手なずけるつもりだ。
メタバースは少し先になりそうだが、AIの発達ぶりは著しい。
たちもAIとうまくつきあう方法を学んでおくべきだろう。