世界経済

エシカル消費

「エシカル(倫理的)消費」という言葉ができのは2015年だが、最近とくに脚光をあびている。
きっかけは同年にできたSDGsで、17個ある目標の12番目「つくる責任、つかう責任」に関連する取り組みをいう。
消費者もサステナブル(持続可能)な製品やサービスを選択する責任がある。
一部の人たちは以前からそうしてきたが、SDGsをきっかけにそうした意識が広がりつつあるようだ。

SBI証券には「テーマ投資」というメニューがあり、株式市場でトレンドになっている投資テーマを丸ごと買うことができる。
個別銘柄はよくわからないが、そのテーマの有望さをわかっている人にとっては「テーマ投資」は重宝する。

たとえば、「EV(電気自動車)」「脱炭素」「半導体」「AI」といったロングランテーマのほかに、新着テーマとして「NFT」「レアメタル」「メタバース」といったものが登場している。
新着テーマが短命で終わる場合もあるが、ロングランテーマに発展する可能性もある
その新着テーマに最近加わったのが「エシカル消費」なのだ。

地球環境や経済システムに負担をかけない製品やサービスを利用する動きのことで、サステナブルでないものは買わないことを意味する。
そうした行為が社会貢献に直結するという考えだ。

「エシカル金融」という言葉もある。
サステナブルな活動をしている企業や組織に融資や投資を行うことである。
今後はサステナブルでない企業は資金調達もままならなくなるかもしれない。

話を「エシカル消費」に戻すが、具体的にどのような消費行動をいうのだろうか。
まずひとつめに「環境に配慮された製品・サービス」を意識的に選ぶこと。オーガニック製品やエコマーク製品だったり、省エネ製品、グリーン購入、シェアカー、シェアオフィス、国産材利用などがそれにあたる。
食品ロスを出さない取り組みなどもここに含まれる。

次に「人や社会に優しい会社の製品を買う」こと。
人権問題などもこれに含む。たとえばフェアトレード。
友人のひとりはスターバックスのフェアトレードの豆しか買わないと決めている
美味しさだけで選べば別の豆になるが、フェアトレードのコーヒーを飲むことで社会に貢献している気分が味わえて格別だそうだ。

一年前、ユニクロが不買運動にあったのも人権問題のひとつ。
社の製品の一部がウイグル自治区の綿を使っていたからだ。
実は私たちがつかっている綿製品はかなり高い確率で中国製だし、その中国製の8割はウイグル産なのである。
ユニクロが不買運動にあっているのをみて、アパレル業界全体が騒然とした。
こうした出来事は今後も起こりうることなので、企業はますますサプライチェーン全体を確認する必要がでてくる。

「地域に配慮された製品・サービス」を選ぶこともエシカルのひとつだ。
地域創生という観点からも地産地消が望まれる。
なるべくなら全国チェーンではなく地元の企業から買おうとか、伝統工芸などを応援消費しようといった動きがそれにあたる。

こうした「エシカル消費」はますます強くなるだろう。
企業のモノ作りは品質と価格だけでなくエシカルというファクターも考慮に入れる必要がでてくるだろう。
さらには、企業としてもサステナブルな取り組みに力ををいれ、そうした活動をネットで発信することも重要な取り組み課題になってくるだろう。

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