国内経済

歴史的!東証再編スタート

昨日から株式市場の区分が変更になった。
これまで「東証一部」「東証二部」「マザーズ」「ジャスダック」と分かれていたものが、

  • 「プライム」
  • 「スタンダード」
  • 「グロース」

の三市場に分けられたのだ。
株式市場にとっては歴史的な大改革といえるわけだが、そもそもどうしてこれほどの改革が必要だったのか

東証(東京証券取引所)は渋沢栄一が中心となって1878年にスタートした「東京株式取引所」が前身。
兜町に取引所を置いたことから、政治は「永田町」、市場は「兜町」といった具合に地名がブランドと化した。

全盛期には神戸、京都、広島、新潟などにも株式市場ができたが、バブル崩壊後は商いが細り、東証に吸収されていった。
また大阪は江戸時代に世界初の先物市場とされる堂島米会所が生まれた土地柄。
五代友厚らが発起人となって兜町ができたのと同年に「北浜」に大阪株式取引所が設立された。

以来、東証と大証はライバル関係にあった。
東証が1999年にマザーズを開設して新興ベンチャーの育成を始めると、大証はジャスダック証券取引所を買収して、新興市場をつくり対抗した。

しかし海外の株式市場が世界の投資マネーを呼び込むために市場再編を行うなか、国内同士で戦っている時代ではないと2013年に東証と大証は経営統合した。
目標は「アジアで最も選ばれる市場」だった
だが、東証に一部と二部があり、マザーズもある。
大証にもジャスダックがある。
これでは国内外の投資家が分かりにくいということから今回の市場再編につながった。

目標は国内外から投資マネーを集めること。
バブル期にくらべて減ってしまった外国人投資家を呼び込みたい。
さらには日本人投資家で外国株を買う人が増えていることにも危機感を募らせる。

このままでは東証の地盤沈下が止まらない。
5年前までは韓国や香港の株式市場に3倍以上の大差をつけていた東証の売買代金も昨年は韓国が日本の9割程度と肉薄した。
香港の追い上げも急ピッチで日本の7割程度にまで迫っている。
一方、米国、中国との差は開く一方なのだ。

東証は海外の投資家にもわかりやすい姿をめざしたが、緩和措置も同時に設けたため、時価総額が極端に小さい企業もトヨタのような巨大企業もプライム市場にいる。
当面の間は厳密さに欠け、矛盾も抱えながらのスターとなるが、今後成熟するにつれて改革の効果がでるのではないか。

市場は今後次の三つになる。

1.プライム市場

多くの機関投資家の投資対象になりうる規模の時価総額(流動性)を持ち、より高いガバナンス水準を備え、投資者との建設的な対話を中心に据えて持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場1839社でスタート。
従来の東証一部が2181社なので、84%の一部上場企業がプライム市場に移行するした。要するに一番ハードルが高い市場。

2.スタンダード市場

公開された市場における投資対象として一定の時価総額(流動性)を持ち、上場企業としての基本的なガバナンス水準を備えつつ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場。
1466社でスタート。
従来の東証二部が475社なので、一部から降りてきた300社強と、二部の475社と、マザーズ・ジャスダックからあがってきた約700社がここに入る。
要するに標準的な市場。

3.グロース市場

高い成長可能性を実現するための事業計画及びその進捗の適時・適切な開示が行われ一定の市場評価が得られる一方、事業実績の観点から相対的にリスクが高い企業向けの市場。
466社がこのグロースを選択している。
要するに一番ハードルが低い市場。

詳しくお知りになりたい方はこちらのホームページをご覧あれ。