世界経済

会社四季報2022年 2集春号

東洋経済新報社が年に4回発行している『会社四季報』は投資家必携のツールといわれている。
日本国内の株式市場に上場している全銘柄(本日現在3,874社)の企業データが載った情報誌は他になく、個人投資家はもちろん、証券会社や金融機関、機関投資家のプロもつかっているものだ。

創刊は1936年(昭和11年)で、戦前・戦中・戦後と投資家に愛用されてきた。
調べてみたら上場企業を網羅した情報誌が規則正しく出版されているケースは海外にもないという。

昭和49年、20歳だった私は初めて『会社四季報』を買った。
しかし、経済のことも経営のことも分からないので、とても敷居が高く、本棚に置いておいて辞典のように時々調べるような使い方しかできなかった。

ただ勤務先が100人の町工場で、いつも「日本酸素」製の酸素ボンベを見慣れていたことと業績も順調だった同社株を最小単位1,000株買った。
株価は200円くらいだったので20万強の投資だった。
毎朝、社員寮に届く中日新聞の株価欄をみては元気が出たり、がっかりしたりした。
10人以上いた寮生で株を買っているのは私だけだったので投資のことは黙っていた。
幸い、3ヶ月で数万円の利益が出で好スタートを切った。

企業ドラマは小説や映画より興味深いと思う。
60年代のソニー、70年代から80年代初頭の任天堂やセブンイレブン、90年代後半から2000年代初頭のヤフー、ユニクロ、エイベックス、2010年からのレーザーテックやエムスリーなど「若武者」が市場に登場する。
その後、たくましく成長し、やがて世界に羽ばたく大企業になっていく。
そんなプロセスに投資家として加わることができたら人生は豊かになるだろう。

反対に、無敵の企業帝国をつくりあげたかにみえた大企業が経営環境の変化に対応を誤り、無残にも地上から消滅する様を見ることもある。
無念の思いで退陣するかつてのカリスマ経営者を見送るのは辛い。

逆境のどん底やギリギリのピンチを脱出し見事に復活を遂げる企業もある。
100年を超える老舗企業が若武者に立ち向かうこともある。
ライバルを飲み込み、下剋上が起こり、親が子を切り捨て、子が親を飲み込むことだってある企業ドラマ。
人生は小説より奇なりというが、企業の栄枯盛衰物語も映画以上にドラマチックなものだ。

「会社四季報」は年に四回発売される。
春号(3月)、夏号(6月)、秋号(9月)、新春号(12月)の四回でそれぞれの月の中旬に発売される。
年に一回しか買わない人には6月発売の夏号をおすすめする。
その理由は日本企業は3月決算が多く、決算発表は4月から5月にかけて行われるから。
そのデータが6月発売の「夏号」に網羅されるのだ。
前3月期分の決算速報が載るほかに、新しい期とその翌期の予想数字も載るため、「夏号」は新情報が満載されてお得感が強い。

もちろん秋号にも新春号にも春号にもそれぞれのタイミングならではの魅力があるので一番のおすすめは毎号買い続けること。
タブレット端末をお持ちの方は迷わずKindle版をおすすめしたい。
iPadのピンチ操作によって文字の大きさが変えられるからシニアグラスの私にはとても重宝する。
なにより四季報データがいつでもどこでも参照できる手軽さは一度体感するともう紙の四季報には戻れなくなる。

さて『会社四季報2022年 2集 春号』が先週金曜日(3/18)に発売された。
私は予約注文しておいたので、当日朝、起床直後からチェックを始め、昨日、全銘柄のチェックを終えたばかり。

結論を申し上げると「4K企業」の数は最高記録を更新した。
日本経済強し」の印象である。
例によって半導体や電子機器関連の製造業が好調なのと、不動産関連の新興ベンチャーの好業績ぶりが目についた。

4K企業の過去最高は前号の176社だったが、今号では200社を突破している。
新規上場企業を含む新顔が10%以上あることにも注目で、今週中にレポート発売にこぎつけたいと思っている。


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