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私がつよい強い影響を受けた50冊 その1

先日のオンラインセミナーで「私がつよい強い影響を受けた50冊」 を一挙ご紹介した出席者には50冊のリストも進呈したわけだが、 さっそくこんなメールをいただいた。

出席者Aさん
出席者Aさん
今回下さった50冊のリストがとても興味深かったのは無名に近い本がたくさんあったことです。ただ私が知らなかっただけのことかもしれませんが(笑)
文学作品や歴史小説もとても参考になりました。
「50冊」とありましたが実際には63冊も紹介されていて得した気分です。
あと、本ごとに武沢さんのコメントが載っていたのがありがたくて次に読むべき本がたくさん見つかりました。すてきな企画をありがとう ございました。

自分の部屋をみられるのは恥ずかしいものだが、本棚を見られるのはもっと恥ずかしい。「なんだこの程度の人間か」と思われそうで。
そんな私がもっと恥ずかしい「人生でつよい影響を受けた50冊」を公開する気になったのはなぜか。
それはひとえに開き直りである。
「武沢もこの程度か」と思われたって構わないと思うようになったからだ。

従って古典的名著といわれているものや学術的に価値があるようなロングセラーを見栄でリストに加えるようなことはしていない。
あくまで私自身が最後まで読み通した本でなければならず、しばらくの間、私の本棚の一等地を占めていた本でなければならない。
少なくとも何人かの友人にその本の話題をもちかけた本でなければならず、 何より私の人生や仕事に影響を与えた本でなければならない。

リストのなかに例外が一冊だけある。
あるSF小説なのだが全五巻あり四巻で挫折した。
つまり完読していない本なのだが、途中で挫折したって全然構わないくらいその世界観に圧倒される作品がリストに含まれている。
この作者の博覧強記ぶりと縦横無尽にほとばしる知的狂気性は途中で終わったとしても触れておく価値がある。

さて、今日から何回かに分けて50冊のリストをご紹介したい。
メルマガ用に解説を書き加えながらご紹介していきたい。
自分自身の読書遍歴を整理する意味で作ったリストなのだが、冊数を限定している以上はこの先、中味が変化する可能性がある。
新しい本が加えられたり、減らされたりするだろう。
そんなつもりでおつきあいいただきたい。

【私がつよい影響を受けた50冊】  Ver.2022.2.22

■カテゴリー1.子ども→学生時代にかけて、私を本好きにしてくれた6冊

1.『坊っちゃん』 夏目漱石

初めて自分のおこずかいで買った小説。内容もさることながら最後まで楽しく読めて、本好きにしてくれた思い出の一冊。これより前に親戚のおじさんから『路傍の石』を買ってもらったが、重い内容のため途中で挫折していた。だから殊更、完読できたことがうれしかった。この本のあと、漱石を追いかけてみたが完読したのはこの作品だけ。
ちなみに漱石の偉大さについてはいまだにその理由が分からない。

2.『怪盗ルパンシリーズ』 モーリスルブラン
ポプラ文庫クラシック、岩波少年文庫

夢中になって次々に読んだ。子どものころ、周囲に読書友だちはいなかった。
なので読み始めたきっかけは思い出せないが、たぶん学校の図書館か書店で見つけたのだと思う。
ビクトリー・ユゴーの『ああ無情』、ジュールベルヌの『15少年漂流記』なども一連の流れで読んだが、なぜかシャーロック・ホームズのシリーズには向かわなかった。
いまだにホームズは一冊も読んでいないのは自分のなかの七不思議。

3.『宮本武蔵』吉川英治

中学の図書館で借りて読んだ。
剣の道にはげむ武蔵と、彼を恋い慕って追いかけるお通。
又八や伊織、沢庵和尚、お杉婆、佐々木小次郎など登場人物が皆、いきいきとしていた。
武蔵のような一つの道を究める生き方をしたい、お通のような純粋な心の女性に出会いたいと思いながら夢中になって読んだ。
私にとって思い出深い歴史小説デビュー作。
はるか後年、巌流島の決闘地に私も立ったが考えてみたら二人の決闘は吉川英治の創作だった。

4.『国盗り物語』 司馬遼太郎

高校の授業中、教科書をついたてにしてむさぼり読んだ。
司馬遼太郎作品デビュー作。
斎藤道三の権謀術数ぶりと織田信長の天才的狂気が多感な高校生の胸を熱くした。
この一冊で司馬遼太郎ファン確定。
このあと次々に(とはいっても10年以上かけて)司馬作品を読みふけっていく。
そのせいとはいわないが、高校では赤点続きだった。

5.『竜馬がゆく』 司馬遼太郎

私の生き様に一番強い影響を与えた一冊。
悩み多きティーンエイジャーだった私に、勇気と希望、それに生きる指針を与えてくれた。ペリー来航、生麦事件、尊皇攘夷、幕末、脱藩、志士、天誅、長州征伐、蛤御門の変、薩長同盟、戊辰戦争、維新・・・。
すべてこの小説で知った言葉。
社会の授業でも習っていたはずだが、小説の方が断然楽しくて自然に歴史の知識が身についていった。

6.『ゴッドファーザー』 マリオプーヅォ

これも10代の後半に読んだ。
まもなく映画化されるということで話題になっていた本だが、海外の社会派小説がこんなにも面白いのかと目を見開かせてくれた本。
ひとりひとりの人物がいずれも濃厚なキャラクターで感情移入しながら読んだ。
その後、映画化されて三作品とも観たがそちらも私のBest映画といえる存在になっている。

●こんな感じで紹介していたら終わらないので、次回もう少しサクサクとご紹介していきたい。

<「カテゴリー2」以降は次号につづく>