※今日は私のゴルフ歴と父との関係について書きました。書くのに 1時間半かかりましたが、読むのは 4分半ほどです。それでいて、あなたのビジネスに役立つかどうかは微妙なところ。お忙しい方はスルーしていただいて構いません。ただし、ヘッダと記事中の広告だけは是非ご注目ください。(武沢)
昨日は帝王・ジャックニクラウスの言葉を紹介したが、私のことを“ゴルフの達人”と誤解しておられる方からこんなメールを頂戴した。
「ゴルフのスイングはショットの 1割ということでしたが、残りの 9割は具体的に何なのか興味があります。もし分かりましたらお教えください。もし文献がなければ武沢先生のゴルフ歴の中から得た経験値のようなものでも結構ですのでお教え願えたら幸いです」
まず誤解を解いておくために私のゴルフ歴を少々語りたい。
私がゴルフを始めたのは 25歳のとき。かなり以前のことである。当時スポーツ用品店で働きはじめていて、ゴルフ部門担当を任されたことがきっかけだ。ゴルフ用品を売る者がなにも知らなくては売れるはずがないからである。
一番安いゴルフセットを自店で買い、何回か練習したあとパブリックコースでラウンドした。小売業なので休みは平日になる。起きたらすぐに一人で車を運転してコースまで出むく。当然、ひとりではラウンドさせてもらえないので他の二人組か三人組のグループに入れられる。初対面だから恥ずかしいプレイはできないことから一打一打、入魂のショットを打った。そしてゴルフを始めて三ヶ月くらいで 119というまずまずのスコアで回れるようになった。
実は亡き父が大のゴルフ好きで(ボクシングも)いつもTV 中継を見せられていたので馴染みのスポーツでもあった。ちなみに父は 47歳でゴルフを始め、50歳でシングルになり、鋳造会社をたたんでゴルフショップと会員権販売の仕事を興した。55歳になったとき、大垣カントリークラブのクラブチャンピオンになり、岐阜県の競技役員までつとめた。
そんな父が毎年大晦日に開催する「越年コンペ」には数十名の友人が集まり、私も時々参加するようになった。一度だけ父とラウンドしたことがある。スタスタと歩き、ボールの所まで来たらアドレスしてすぐに打つ。まるで散歩の途中にショットしているような感じだ。とにかくプレイが早い。何も考えてないように見えたのでそう聞くと、「バカ、次に打つ球の弾道をイメージしながら歩いているんだ」と言われた。グリーン上でどれだけ距離があるパットでも、必ず 2パット以内で納
まる。パターの秘訣を聞いたらそっけなくこう言った。「頭が悪いやつだけが 3パットする」その二つだけが私へのメッセージであり、ほかには何も教えてくれなかった。
結局、親父のようにはなれないと思っていたのか、私自身はゴルフの魅力にはまりこむことはなかった。あくまでゴルフ用品をたくさん販売するための経験としてプレイしていたに過ぎないようだ。今は健康のためと仲間との談笑とラウンド後のビールのために回っている。
40歳で車を運転するのをやめてからはゴルフからいっそう遠ざかった。いまでは一年に一度ラウンドすることがあるか、ないかという程度。従って、ゴルフを始めて 3ヶ月めに出した「119」というスコアはいまだに破れないでいる。それでいてゴルフ歴だけは 30数年になってしまったわけだ。
「私はゴルフの達人ではない」ということを言おうとして思わず長くなった。肝心のニクラウス氏の言葉については明日にゆずりたい。