伴侶選びより難しいのは・・・
●「おたく忘年会どうする?」「まだ決めてない。君は?」「一緒、まだ決めてない」
こんなやりとりが聞こえてきそうな今年の忘年会。会社単位、部署単位の大規模な忘年会は中止するところが7割とも8割とも言われているが、個人単位の忘年会がどこまで増えるかが飲食業界にとっての勝負となる。
●10月はコロナ収束傾向で予約が戻っていた。活気づいた飲食店だったがここに来ての「オミクロン株」で水をかけられた格好。いつもの年末なら予約一杯で入れないお店でも今年なら予約できてしまう。
●コロナ禍から丸二年。冠婚葬祭業界はこの期間中、大打撃を受けてきた。結婚式は延期・中止・規模縮小がすすみ、葬儀業界は規模縮小が相次いだ。もともと新規参入企業が増えていた業界にコロナ禍が襲いダブルパンチを食らったわけだ。
●所変われば品変わる。日本で苦戦中の冠婚葬祭業界だがアメリカの結婚式場はバブルに沸いている。今朝のウォールストリートジャーナルにはこんな皮肉な見出しがあった。
「今後数年に結婚を予定しているカップルは、早めに予約し料金の値上げを見込んでおくべきだ。完璧な人生の伴侶を見つけることの方が、完璧な結婚式を計画するより簡単かもしれないのだ」
●新型コロナの流行で多くの結婚式が延期された影響で、2024年までの挙式に関する問い合わせと予約が記録的な数に上っているという。
来年(2022年)米国で行われる結婚式の数は、過去最高の260万件と推定されており、その17%が予定を延期した人たちだ。業者や会場には予約が殺到し、料金の値上げにつながっているケースもあるという。
●当然のことながら会場の奪い合いも起きている。
「その日は空いていますか?下見も説明も不要なので、送金先だけ教えてください」と会場確保に躍起になるカップルもある。
●メーン州のカルボナ夫妻が経営する人気結婚式場では例年、予約がいっぱいで申し込みを断る件数が年間2~3組あった。だが現在は週に20~25組の申し込みを断っているという。
●そんなカルボナ夫妻の元には「袖の下」の話も舞い込む。
今年秋に挙式をあげたいと言ってきた女性に「どうすることもできない」と断ったところ「できることはあるかもしれない」と返されたそうだ。女性の父親に袖の下の用意があるという。その日の挙式を譲ってくれたら予約者のカップルに挙式代(約284万円)を支払うとオファーしたのだ。
●カルボナ夫妻は断ったそうだが、こういう現象が起きるほど結婚式場にカップルが押し寄せている。業界関係者によれば、「これまで2年間、孤立、不安、パニックを経験してきて、私たちは皆これまで以上に祝福したい気分になっている」と語る。
●それにしても伴侶を探すより式場を探す方が難しいとは皮肉な現象。
ただ今回の「オミクロン株」がどのような影響を与えるかはまだ分からない。
同じことが日本の結婚式場や祝い事全般で起きるかもしれない。結婚式場だけでなく、飲食店や旅館やホテル、イベント会場や競技場など久々の活況感を人々は欲している可能性がある。
そうならないかもしれないが、なったときの備えをどうするか、どんな対応をするかは考えておいても損ではない。
★参考:ウォールストリートジャーナル(有料記事)
https://ganbare.biz/comon/2hvk