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レッドオーシャン?それは・・・

レッドオーシャン?それは・・・

●「枯れた技術の水平思考」という独自の哲学で任天堂の初期の玩具作品を生み出しつづけた横井軍平。
サラリーマンが新幹線のなかで電卓をつかって遊んでいるのを見て携帯ゲームの開発を思いつく。
それが「ゲーム&ウォッチ」として完成し、1980年の発売以来累計で4,340万個を世界で売った。

●当時、任天堂が抱えていた70億の借金をすべて完済し、尚かつ40億残るほどの利益をもたらした大ヒット作だ。
その資金が「ファミリーコンピューター」の開発に注ぎ込まれることになる。
「ゲーム&ウォッチ」の凄いところはたくさんあるが、発売開始後41年になるいまでも売れているのをみれば、多くを語る必要はあるまい。
往年のゲームファンなら復刻版の画像をご覧になるだけで「懐かしい」と声がでそうになるだろう。

●「枯れた技術の水平思考」、この横井の言葉にはふたつの意味が込められている。
ひとつは従来からある技術を応用すること。
なにも最新のテクノロジーばかりにこだわる必要はないということだ。
もうひとつの「水平思考」という言葉は、60年代から70年代にかけて一世を風靡したデボノ博士提唱による思考訓練のこと。
問題解決のために既成の理論や概念にとらわれずアイデアを生み出す方法である
このふたつを組み合わせて商品開発のポリシーにしたところが横井のオリジナリティだ。

●この横井の言葉を思い出させる記事が今朝の日本経済新聞に載っていた。
それは「バルミューダ」によるスマホ発売記事である。
新興家電メーカーのバルミューダはいままで扇風機やトースターなど、従来からある家電製品の分野で独自の商品を開発し、ヒットさせてきた。
2020年には上場も果たしている。
今回、高級家電につづいてスマートフォンを発売することでより一層「レッドオーシャン」に飛び込むことになったバルミューダ。

●そのことを日経の記者に聞かれ寺尾玄社長はこう述べている。

「レッドオーシャンはとてもいい海だ。先端市場に比べると技術が陳腐化して安くなり、そこに顧客がいる。扇風機もトースターもそうだったし、レッドオーシャンの泳ぎ方は得意だ。うちは機能で売ったことはない。体験価値を追求しており、違いを出すのは得意だ」

★日本経済新聞の記事
 → https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC219UB0R21C21A0000000/

●「枯れた技術の水平思考」に匹敵する名言が誕生した。
それが「レッドオーシャンはとてもいい海だ。泳ぎ方は得意だ」である。

■今日アップしたYouTube動画がこちら

男の「流儀」や「作法」について

『「いき」の構造』(九鬼周造)、『大人の流儀』(伊集院静)、『男の作法』(池波正太郎」、それぞれ成人男子のあり方を説いた本である。


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