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そっ啄同時(そったくどうじ)

今日のYouTube新作

■2021年秋 会社四季報最新号で見つけた実力企業リスト

「会社四季報2021年4集秋号」が9月17日に発売されました
約4,000社の企業情報をすべてチェックし、4K企業に該当している会社をまとめたリストを作りました。
これを通して日本経済の状況が確認できるだけでなく、旬のトレンドもわかるのです。
さて今回の傾向は・・・。

そっ啄同時(そったくどうじ)

●経営コンサルタントのAさん(65)の長男は今年32歳。
大学卒業と同時に都内の中堅不動産会社に入社し10年になった。
最近になって、「おやじ、一緒に会社をやらないか」とAさんに言ってきたそうだ
もともと10年で独立するつもりだったと長男は言うが、まさか定年退職して経営コンサルタントになった父親に声がかかるとは青天の霹靂のAさん。

●もちろん息子のオファーはうれしいものだ。
お互いほとんど仕事の話をしてこなったので意外でもあった。
だがコンサルタントの仕事が軌道に乗りつつある今、Aさんは「どうしたものか」と迷っている
建設業界一筋に生きてきたので、不動産のことはまったくの素人なのもためらいの理由になっている。

●「武沢さんはどう思うか?」と昨日Zoomで相談があった。
無論、やるべきだとお答えした。
親子関係が悪いとこうした話も出ないわけで、この時点ですでに親子関係良好であることはあきらかだ

●禅宗の言葉に【そっ啄同時】(そったくどうじ)というのがある
鳥の雛(ひな)が卵の中で成長し、殻の外に出ようと鳴く。
母鳥はその声を聞いて外から殻をつつく。
そのタイミングが同時であることから生まれた言葉。

●「食卓同時?」
「いえ、そったくどうじ、です」
「どういう意味です?」
「こういう意味です。まさしく今、雛が鳴いているわけで、殻を外からつつくのは親の役目です」
「でもそれって母鳥の役目でしょ、僕は父鳥だから」

茶化しながらもAさんは満更でもなさそうだ。

●あとは、親子二人のビジネススキームのつくりかたがポイントになる。
関わり方の問題である。
社長は誰がやるか、事業内容はどんなものにするか、互いの強みを活かし合うにはどんな役割分担にするか、など考えるべきことは多いが、何はさておき「そっ啄」は同時であるべきだと申し上げた。
タイミングを逸すると、雛は鳴いてくれなくなるか、それとも親の力を必要とせず自力で巣立っていく。